物語を歌う三十一文字

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こちらに続く、短歌解説シリーズPART2です。

癖短歌の発祥(?)はこちら。

 

やってみたらとても楽しかったのでいろいろと癖お借りしました。なんとなく小説のプロット書いてる感覚になりました。

 

【1】

密かに勝手に「短歌の師匠……!」と思ってる昨さんの癖お借りしたもの。

あるようでないようである共通点 無意識に探し「好み」と言い訳
似ているから好きなのか、自分が好きになったから似ているところを探してしまうのか?みたいな感覚を詠んだつもり。

似て非なる 今日はどっちで好きだろう 問いかけた波 静かな引き潮
結局、似てるから好きなのか、違うから新たに好きになったのか、という自分への疑問って日々その時の気分だったり、向こうの挙動だったりで感覚が違うと思っていて、波みたいに行ったり来たりゆらゆら繰り返すけど毎回違う形でもあるな~と。夜の静かな海でぼーっと波眺めてる情景が浮かんでて月も綺麗な夜かなと思ったので、月→潮の満ち引き→引き潮、と。あと波は電波とかけていてネットなんかに聞いても答えがあるものではないし、(実際「引き潮」ってそういう意味ではないけど)波が引いていく様、遠ざかっていくみたいに、問いには誰も答えてくれないんだよな、みたいなイメージでした。
そしたら昨さんが「引き潮」というワードを大変素晴らしい解釈で受け取ってくださり、自分で詠んだ歌だけど「ほんとだすごーい……」みたいな気持ちになって言葉って面白いなと思いました。

あなたときみは同じ星巡りだと見上げた先には月だけがあった
「星巡り」は星座のことでした。以前私の推し2人が同じ誕生日だったことがあり、それっていろんな占いとか全部一緒ってことだよな~やっぱり星座同じだと似てる性格や人生だったりするのかな、でも占いごときで同じ人生になるわけないけど、……みたいな、ちょっとひねくれた?感覚をギュッとしたのがこの歌です。同じであるその星座を探そうと空を見上げてみたけど、どれがその星なのか見つけられずに、でも月が綺麗だな、あぁあの人がすきだな、それでいっか、という感覚を三十一文字にしたらこうなりました。
そしたら昨さんがまた素晴らしい解釈で受け取ってくださったので短歌おもしれぇですね。銀河鉄道は正直1ミリも浮かんでなかったけど言われてみれば確かに!

「好きな人」というワードをなんの引っかかりなく「推し」に変換して詠んだな……とあとから気付きました。

 

【2】

癖短歌立ち上げの御方(?)であるしまさんの癖お借りしました。

もしこれがドラマだったら「この夜に2人は……」 現実:またねと解散
ドラマや映画で主人公が気付いてないうちに訪れるターニングポイントに入るナレーション、みたいなやつあるじゃないですか。括弧内はそのイメージで、でも現実は2人が始まるのか終わるのかとにかくどうにかなる決定的な夜が訪れないまま、またねの繰り返される日がこの先も続いていくんだろうな~……という未確定で先が読めるような読めないようなイメージで詠みました。

一度くらい本能のままに動け私それが出来ないから私
この感情は諦めでもあり、でも私は私だしな、という自己肯定でもあると思ってます。

大切じゃないけどたぶん必要な退屈捨てられず吐く「ただいま」
大切だったり大事にしたいものは、好きなものとか好きな人とか楽しい時間だけど、そうではない、けど生きていくには必要なものってたくさんあって、それを大切とか好きのために捨てるのって結構強い気持ちがいると思うんですよ。だけど逆に言えば強い気持ちがあればもしかしたら捨てられるかもしれないこともわかってる。その「たぶん」です。必要さも大切さも曖昧なまま、だけど捨てるの面倒なんだよな~というどうしようもなさの「たぶん」。あと「吐く」はため息のイメージから「言う」とかではなく「吐く」を選びました。

 

【3】

偏頭痛さまの癖お借りしました。

曖昧を溶かしたインクで書かれたラベル色褪せもう剥がさなきゃ
「関係を終わらせた方がいいと思っている側」の歌です。この二人の関係性にはハッキリとした名前がついてないんだろうなと思ったので、名付けの意味合いとしての「ラベル」、ある程度時間が経っている印象からの「色褪せ」。あと言葉として入れられなかったんですが、透明なガラス瓶の中に二人がいて外と一見隔たりがないように見えるけど透明な壁のある二人だけの世界に生きているようなイメージを抱いていました。

割るために手を振り上げて 共鏡 見慣れたいつもの「またね」と目が合う
「割るために手を振り上げて」が終わらせた方がいい側、「またね」と言っているのが一生一緒にいようね側で、共鏡は合わせ鏡のことです。いつまでも終わりがないイメージ。鏡なので、終わらせよう側も、結局本心では終わりにしたくないと思っている(かも)という想像込みで詠みました。

名前のない、代わりはいない、先もない、ここは僕らだけの有人島
これは「無邪気に一生一緒にいようね側」の歌です。1首目がガラス瓶で冷たいイメージだったのに対して、こちらはちょっと南国っぽい島のイメージ。楽観的に、きみがいればあと何もなくても幸せじゃん、みたいな。
余談ですがこの解説書いていて、有人が「友人」という変換で出てきてそういうダブルミーニングもありだったな~と思いました。あと最後の「、」ない方がよかったな~。

 

【4】

遊佐さんの癖お借りしました。

なんとなく3首時系列で、他に恋人が出来た→婚約が決まった→結婚前夜、みたいなイメージです。

なんかさぁすごい勝手なんだけどその人 おれ/わたし にめっちゃ似てない?
そこにいるの、俺/私でもよかったんじゃね?みたいな、でも直接告白とかはできない、なんならこれも本人じゃなくて友達とかにこぼしてるくらいのどうしようもなく受け身なさまを詠みました。

「幸せ?」の問いに今更「うん」以外答えられると思うの? きみに
もし「幸せじゃない」って言ったらなんとかしてくれるの?という気持ちがあっても「うん」しか言えないし、そういう人だったから恋人になれないままの2人なんだろうなと思います。

「来世とか信じる?」「ううん、信じない」 最後の藁が風に飛んでく/今世で奪いに来いよばかやろう
「来世では恋人になりたいね」だなんて無意味でしかないけど、ふたりがふたりでいたことを相手にも忘れてほしくなかった、でもそんな小さな希望すらも持たせてもらえないんだな……と完全に諦めるひとりと、「来世なんて不確かなものじゃなくて今だよまだ間に合うよ」と思うけど最後まで自分からは行くことは出来ないひとり、の歌です。

 

【5】

独活部さまの短歌お借りしました。

私では正せる隙を生み出せずそこがいちばん恋しいとした
好きな人が男女みんなでわちゃわちゃふざけ合ってて(その中におそらくカノジョらしき人もいて)眼鏡とられたりなんだりしてるのを教室の隅から眺めながら、ほんとは自分もそのくらい近づきたかったけど悔しいから眼鏡かけてる状態がいちばん好きって思いこむ女の子、のイメージです。歪みが生まれている状態=眼鏡をかけている状態であることと、「歪み」という文字面から対義語的に「正す」が出てきてこうなりました。

「コンタクトにしたんだ」「そっか」懐かしさ空振り ふいの変化球「今度、」
同窓会で久々に会えることがわかってて、さすがに片思いずっと引きずってきたわけじゃないし今は懐かしさ以外感じないけど、眼鏡の彼が好きだったな~って思い返してていざ会ったらコンタクトにしてて、懐かしむことすらさせてもらえないのかってちょっとだけ寂しく思ってたら思いがけず次の機会のお誘いをもらう歌です。この「今度、」は「みんなでどっか行こうよ」でも「2人で」でもどっちもアリです。

おかえりとあくびと共にある歪み全部まるごと愛してやまない
外ではコンタクトの彼が家の中では眼鏡をかけていてぼさぼさ頭のスウェット姿であくびの傍ら「おかえり」って言ってくれる、その関係性とか生活とかも全部含めてあの頃も今もこの人がすきだな~っていう愛の歌です。学生時代、眼鏡をとった姿を見られる距離にいたいと願ったけど、彼がコンタクトにしたことで逆に眼鏡姿を見られる関係性が近さを表すことになっててそれが嬉しい気持ちもあります。
確か元々1首目で「愛してやまない」を使っていて、それが強がりから本物になったように見せたくて3首目にも同じ言葉を入れたんだけど、ちょっと違うかもな~ってなって結局1首目の方を変えて恋から愛へ変わっていった流れになりました。

3首通して、学生時代の片思い→同窓会→結婚生活、という時系列になってます。
「輪郭の歪み」からいっこの物語作ってその3シーンを短歌にした、みたいな作り方してみたんですがこれめっちゃ楽しかったです。自分でもお気に入りの歌になりました。

 

【6】

線香さまの癖お借りしました。

もう今は解けない数式についた丸の数だけまだ覚えてる
学生時代の問題って今はもう何がなんだかわかんないけど、あの頃はちゃんと解けてたんだよな、っていう歌ですね。

引き出しの奥で眠ったマーブルのペンは目覚めず無色をなぞった
捨ててはないと思うけどどこにあるかはわからん、みたいなペンがふいに見つかって試し書きしてみたけどインク出なかったわ~っていう場面を詠みました。いい思い出ってカラフルなイメージがあったので、世代的に懐かしさのある「マーブルのペン」でたくさんの色味を、その対比として失われてしまったことを「無色」で表してみました。

走馬灯飾るつもりの絵のはずが額縁の方が長持ちなんだね
このお題を見たときに最初に浮かんだのが「額縁だけが残ってしまった絵」みたいなイメージで、そこから大事にしてた思い出→走馬灯の流れで浮かんだものです。ちゃんとした絵(?)って、額縁と絵で一体の作品になるよう作られていると聞いたことがあって、そういう感覚で記憶をたどる手がかりとしての額縁が表せたらいいな~という気持ちもあります。

 

癖短歌ではないけどお題で詠んだものなのでこちらも掲載。

この3首は特に解説も何も読んだままの意味という感じなのですが、両片想い状態の2人が「すきです」「付き合おう」ってお互いに言いたい話です(載せたくせに解説しない)。

 

番外編

ヘキというには思いつきすぎて癖短歌タグをつけるのは烏滸がましいな、と躊躇してしまったけどくくりとしてはざっくり同じかなと思うのでこれもこちらで解説。
テーマのきっかけは某ラジオの企画です。なのでアイドル短歌でもあります。よって、以下あくまで「アイドルとして、仕事としてやってる」を理解したうえでの話です、文面だけ読むとガチ恋のやばいやつみたいになりかねないので一応注釈!笑

そうやって言うけど結局わたしをさ、きみのものにはしてくれないじゃん?
「浮気すんなよ」って、明確にこちらに「求めてる」言葉じゃないですか。けどアイドル→視聴者は究極のところ一方通行で、こちらからそちらに求めることって本当のところ出来ない関係性だなと思います。「絶対浮気しないからそっちもね」とは言えない遠さを明るい感じで詠みたかった歌です。

その言葉そのままきみに返します 私以外を見ないで(冗談)
独占欲って厄介な感情ですよね。付き合いたいとか思ってなくても「ライブでこっち見てほしい」「ファンサほしい」くらいは私も本心で思ってたりするし、けど「そんな虚しい期待してたって叶わない方が多いんだから今あるものを楽しもう」って切り替えようとしてみたり「ライブ行けただけでありがたい!」って言い聞かせるようにSNSに呟いてみたり。もちろん「パフォーマンス見れただけで十分!」も本心だし、そもそも「アイドルとして存在してくれてありがとう」「好きに幸せに生きてほしい」も本心。いろんな気持ちがある中で、「(冗談)」で誤魔化してみたけど確かにある本音、みたいな感覚を詠んだつもりです。

本気は1番、浮気は2番、なら私はずっと0番でいる
「浮気すんなよ」には「俺以外に」が含まれると思うので、つまり「浮気」には前提として「本気」が存在していて、だけどそういうフィールドにそもそも乗っからなければ「浮気しない」も嘘にならないでしょ、みたいなちょっとずるい気持ちを詠みました。

あと私の投稿したお題で詠んでくださったやつ〜〜うれハピすぎ。これも一種の共作みたいなものかなと思うと創作の楽しさ倍!

 

 

短歌については今後も作ったときの感覚とか感想をまとめていけたらいいなと思ってるので興味ある方は引き続きよろしくお願いします~!

偶像への三十一文字

2022年10月から始めた(?)アイドル短歌について、解説など野暮かとも思いつつ、都度どんなイメージで詠んでだかという記録がてら書いてみます。
先に言うと短歌についての勉強とかなにもしてなくて作法とかも全然わからんまま五七五七七(余ったり欠けたり)の枠に言葉入れる遊びみたいな感じで詠んでます。形式的に間違ってたりそれあかんやつやでとかあるかもだけど今のところ楽しさ重視で気にせず作ってますのでご了承あれ。

 


誕生日短歌

【1】
最初に詠んだ短歌(アイドル短歌)がこちらでした。

きっかけとしては、大晴くん誕生日の0時を超えてなんとなく誕生祭タグ眺めてた時に膨大なお祝い絵の中に紛れ込んでいた短歌ツイートを見て、絵は描けないけどこれなら自分も出来るかもと思って考えてみた、……ような気がします(記憶曖昧)。その前から創作活動と呼べるほどではないけど思い浮かんだことを言葉にするのは好きだったし、アイドル短歌というものの存在もどこかしらで知っていたと思います。
その時たまたま見かけた方が、「ふくもとたいせい」の名前の頭文字で詠んでたので、まんま真似するのはどうかと思ってそれなら名前の漢字で詠もうと思ったのが始まりでした。

Tシャツと羽毛布団のちぐはぐな秋のこの日を覚えていようか
ちょうど季節の変わり目だな~って歌。その当日の“今日”を詠みたかった。

「福い」で「さいわい」と読むことを知る 君のおかげで増えた学びだ
複数の刀で戦う君帰る本拠地ずっとそこにあってね
大晴くんのイメージの単語をたくさん思い浮かべて、その中の「学び」と「二刀流」を拾ったもの。刀という言葉や、ライブ『THE BEGINNING~狼煙~』などから「戦い」を連想して、敵地と本拠地→グループが続きますようにという願いを込めました。

大好きと言えるまでには遠くともいつかを待つ日々悪くはないの
この頃まだAぇに対して大手を振って「担当」とか「推し」言えるほどでもないかな~という時期で、でもいつか堂々と言えるようになるのかな~といったふわふわ好きな気持ちを持て余してる感覚もきらいじゃないな、という歌。(今思うとめっちゃ“私”の気持ちで、誕生日全然関係ないですね。)

夢の道歩む彼らを誇らしく晴れの日よ来て まだここにいて
これも今思うと誕生日短歌というよりただのオタク短歌なんですが、晴れの日(デビュー)を望む気持ちはめちゃめちゃあるけどどこかで「知る人ぞ知る」みたいな距離感にいてほしい気持ちもあるなと思って詠んだ歌です。

帰り道ふと香り届く金木犀 これからはきっと君思い出す
これも“その日”を詠みたかったもので、歌の通り1年経った今も金木犀の香りに会うと大晴くん思い出すようになっちゃいました。

複数の刀で挑む戦いは本拠地に実り増やすためかな
二本でも三本でもいい持ったるわ俺らが戦う刀になるなら
「二刀流」からの副産物?みたいなやつ。

先駆者のいいとこ盗んで学び得て重ねた努力で唯一となる
「学び」からの副産物です。「努力」のイメージ単語にあった。

本流と違う?そんなん関係ない 俺らが王道作ったんねん
Aぇの王道っぽくない(王道ができないわけではない)ところが好きだなと思っていて、それでいて彼らが王道と呼ばれるくらいまで大きくなったら感慨深いなという気持ちを込めたもの。

6という完全数に守られて俺が立つ場所いつも快晴
解説しようがない! 大晴っていい名前だな~という歌……かな。


【2】
次に投稿したのがこちら。

去年までなんてことない一日に思いを馳せる西空の青
大晴誕に合わせて、その当日を詠もうとした歌。去年のこの日まだAぇには出会ってなかったなぁという思いから。

いつの間に心掴まれ王の虜 正体きっと掴めぬままね
まさかどくんの、こちらの心めっちゃ掴んでくるのに本人は全然掴みどころない感じを対比で詠みたかった。

すぐにでも門出の先の世界まで連れていくよと言えたらいいのに
私にとんでもない財力や権力があったら彼らの夢を叶えてあげられるのに、みたいなオタクの傲慢の歌。(今思うとめっちゃ“私”の気持ちで以下略)

良心のベールで包んだその奥を 少しは見せて 隠し通して
心のうちを知りたいような、隠し通して“アイドル”でいてほしいような……というオタクの我儘の歌。(今思うと以下略)

規矩ならずとも頂点目指す君たちの追い風となれ蝶の羽ばたき
「規矩(きく):規準、手本、規則」。アイドルとして王道に順風満帆にするするとここまで来た人たちではないけれど、それすら武器にしている彼らがすきだなと思うし、私のできることなんて小さい小さいことだろうけど追い風の一部になれるといいなという思いを込めて。
規矩(きく)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書

秋を出て冬の入り口立ち止まる今日の夕陽がいちばんきれい
この時期って夕陽綺麗だよね~という歌。

繋がった御縁の上に敷くレール正邪の答えは今じゃないんだ
アイドルというのは一種のレールでもあるのかなと思って、その道を選んで進んだことが正解かどうかなんてわかんないけど進むしかないよね、って思ってるのかなという想像短歌。

見送った門出の先の世界まで連れて行く日を信じていてよ
「すぐにでも~」のアイドル側視点を想像した歌。たぶんこっちが先に出来ていて、視点合わせで上記のになった。

嘘未満、本音でもない「好きだよ」の罪を償いながら重ねる
これ自作アイドル短歌の中で現状いちばんのお気に入り。まさかどくんって罪深いよな~と思っていたところにぽんと「嘘未満」という単語が出てきて、アイドルの言う「好きだよ」「愛してるよ」とかって決して嘘ではないだろうけど100%本音でもない(当然仕事として言っているという前提があるので)だろうし、けどそれを私たちも言う本人たちもきっと気付いていながら求めてしまうし繰り返している、それは救いでありながらどこか罪なのかもしれない、という、歌。アイドルってこういう職業だよな、と常日頃思っている感覚をうまく表現できたなぁと自画自賛しています。

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(アイキャッチ用に画像つくるくらいお気に入り)


この次がリチャくん誕生日短歌、のはずだったのですが、手こずって当日中に間に合わなかったのでずるずる後回しにしてました。のちほど。

【3】
投稿した順に、ということで、飛んで8月です。

すきこれ!とはしゃいで笑うきみ用に おっきな袋のベビーカステラ
直前のラジオでベビーカステラが好きという話から。末澤さんの関西弁「すき!」って発音めちゃかわいいよね。

ひとめぐりふためぐりまた螺旋を上がり進む道 行く末永く
長年の歴史と、同じところにいるようでちゃんと上がっている(進化してる的な)ことと、その道が長く続くといいなという願望から。

どんな言葉とも群れずに広まった「澤」の字冠した君は強いよ
「澤」を使った言葉ってないんですよこの世に。私調べですが。なのでそれをそのまま詠みました。多くの人に囲まれる姫も似合うのに、孤高、って言葉が似合うところもあるのが末澤さんのおもろいところ。

熱誠の渦は周りを巻き込んで気高く白き華咲き誇る
「熱誠:熱く燃える誠意。ひたむきな真心」末澤誠也のための熟語か? 前述の螺旋と渦と、イメージする形が似ている気がしていて、周りを巻き込んでいく人、その中心にいられる人だなと思ったのが上の句。肌の白さと過去のメンカラとの白、華があること、気高さや誇りという言葉が似合う人なのでそれをギュッと詰め込んだのが下の句です。
熱誠(ねっせい)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書

これ読める?「我也喜欢」自惚れていいかな 私もあなたが好きです
「也」を使う言葉ってないんですよこの世に(2回目)。 難しかった~~~、漢文にしようかとかいろいろ考えて中国語になりました。たぶん本当は「我也喜欢你(Wǒ yě xǐhuan nǐ) 」が正しいはずで、音数で你を減らしました。よくアイドルが言う「好き」に対して、ガチな意味で本気にはとらないけど、時々あまりにもくれる愛が大きくてつい「私も、」って言いたくなるような魔が差す感情を詠んだつもり。

世界中どこにも続くこの波で色褪せぬ恋贈れたらいい
誕生花ケイトウに「色褪せぬ恋」という花言葉があるロマンチック男、それが末澤誠也。波は電波のことで(この変換すきなのバレる)、SNSは炎上だの目撃情報だの向こう側からした非常に面倒くさい世の中なんだろうけど、プラスの声もたくさん届くといいなと思って詠みました。

あと副産物の未投稿分、ここで放出しちゃいます。

きみ語る言葉31文字で足りるわけない分かり得ぬ人
解説するまでもなく! まさかどくんとは違った意味で掴みどころないというか、掴めたと思ってもどんどん違う面が出てくる人。

多面性の中に確かな一貫性 果てなく輝く万華鏡かな
どんどん違う面が出てくるのに、やることなすこと“末澤誠也っぽい”とも思う、不思議な人です。


10/16が私にとっての短歌あそびスタートの日なので、ここを年度開始日みたいに捉えていて、今年度中の未消化分やり切らねば……!という思いで10/15に慌てて滑り込んだ3人分!

 

【4】

冬夜空 星の色した憧れが続くようにと勝手な願い
私にとって黄色って亮ちゃん(元担当で、最初の担当)の色だったんですずっと。あとうっすら昔のリチャくんの尊先が彼だったらしいと聞いたことがあって、憧れの人と同じ色になったなとか一瞬でもよぎったりしたのかな~という想像と、亮ちゃんはこの色を持つこと(=この事務所のアイドルであること)をやめてしまったけれど、リチャくんとAぇが長く一緒にいてくれたらいいなぁという勝手な願い、の歌です。

草創の花が咲くと信じて積み重ね今か今かと飛び込みの準備
「草創:事業などの初め。草分け」Aぇの地上波バラエティへの道を切り開いたのはリチャくんかなぁと思ってるのと、ここまでの長い時間の積み重ねがあってこそ今があることと、DASHで飛び込みしてたな~っていうのを合わせた歌です。
草創(そうそう)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書

酸いも甘いも知りここを選んだ人生 間然する無し
「間然:欠点をついてあれこれと批判・非難すること」いろいろあっただろうけど傍から見て勝手に今楽しそうだなって感じる(勝手に)のと、酸いも甘いも飲み込んで丸ごと大丈夫!って言ってくれそうなおっきな心のイメージ(これも勝手に)を詠みました。
間然(かんぜん)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書

優しさと愛のまなざしその奥の見えぬ努力に畏敬の心
リチャくんって目めっちゃ優しくない? ただ優しいだけの人ではないんだろうなという印象もあるので、たくさんある「敬」の字をつかった言葉から「畏敬」を選びました。

なんたって完全数の君らなら越えられるかもね太平洋とか
完全数2回目。リチャくんのルーツから来た世界のイメージと、でも本人はまだ海外に行ったことないらしいことから、いつか世界に羽ばたけるといいねという気持ちを込めた歌です。

今日の日に並ぶ数字をいつの日か彼らの未来に冠してみせて
順位や数字は結局順位や数字でしかなく「すき」の数値化はできないと思ってはいるけれども、そういう数字に左右される世界=デビュー、だとも思うので、将来的にそういう場所で戦って1位を取る姿見たいし、取らせてあげたい、みたいな気持ちも込みの一首。

 

【5】

逸材? それはそうかもね こちとら5万年に1度の彗星
佐野晶哉の“逸材さ”って誰の目にも明らかだろうし、あとなんか5万年に1度の彗星が緑だったので(安直短歌)。
5万年に1度のチャンス、肉眼で見える緑の彗星が接近中|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

時を経てついぞ放たれし王佐の才 いつか君もその座に就くかな
王→ライオンキングのイメージと、その才は補佐に留まらずいずれトップに君臨するに値するだろうな~という未来への期待を込めて。

うまいこと見せて隠して野心の火 雷管繋がる線を探して
佐野さんってめちゃめちゃ頭いい人だと思ってて、アイドルとしての受け答えの正解をやろうと思えばソツなくこなせるだろうに、それをあえて踏み外して暴れてみたり、いろんなパターンをいつも試してるような雰囲気があるなと感じていて、その感覚が上の句。佐野晶哉の本気がほんとうに爆発したらどうなるんだろうなというソワソワありきのちょっとした怖さを込めて「雷管」を当てて、いつか爆発=ブレイク?する日を待ってるぜ~!みたいなイメージの歌です。

いつまでも失われぬよう願う先 晶光宿す純な心よ
あんなに頭よくて全部計算してやってそうだよな~と思うのに、なぜか純粋さも感じるのすごい。晶哉ちゃんがずっと元気に心から笑える環境にいてくれ~!という願いを込めて。

君のその笑顔に映れるこの時間 めいっぱい手叩き快哉叫ぶ
「ライブ」という空間のイメージを詠んでみました。

遠くから届かぬ祝福と幸せ祈りを込めて抹茶のケーキ
当日に抹茶のケーキ食べたので(笑)

 

【6】

神様のせいにするのは最後にと決意固めて叫ぶバカヤロー
楽曲『神様のバカヤロー』のエピソードをリアルタイムでは知らないのですが、ネットで後追いした断片から想像してできた歌です。

現実はなんかいろいろあるけどさ俺と踊ろう小粋な歌でも
マツケンサンバ』もとい『コジケンサンバ』のイメージです。

群島に幸せ運ぶ渡り鳥 東西行き来し気ままな翼
この「島」の字使った短歌がめちゃくちゃ難しくてなかなか完成しなかった記憶あります。出来てみればなんかまぁいい感じに「I and You are Happy!」な歌になったかなと思ってます。
Aぇ! group【俺たち流行最先端!】のはずが…ジェネレーションギャップ💦 - YouTube

結局のところ笑っていてほしい 壮健願う劇中の君
「笑劇」という文字を入れたかったことと、アイドルを「アイドルという人生」みたいな劇の舞台にずっと立ってる人たち、のような感覚で見ていることがあって、そんなアイドルのステージが彼らにとって幸せで笑っていられる場所だといいなという願いです。

どんな曇天の空にも本当は美しく見惚れるマジックアワー
「美しさ」とメンカラである「紫」を入れたいな~と思って出来た歌です。

 

記念日短歌

2023/2/16、Aぇ! group 結成4周年に寄せて。

これからも今日という日に祝福を 雨水の先に来たる春待つ
二十四節気の雨水が大体2/18頃であることから。

天高く飛ぶ鳥の向こう茜空 共に見ようぜ果てしない夢
赤=炎の色=Firebirdを重ねてみました。

くちびるに触れた指先 ウルトラマリン 届けるからきみ受け取ってよね
よく投げチューしてるイメージがあるのと、青→ウルトラマリン=海を越えるという意味があるそうです。

黄昏に溶けることなく歩いてく たまにでいいから一緒に歩こ
黄昏=誰そ彼、とはならない、目立つ人であるという意。あと散歩好きらしいので。

太陽も縁起も俺の味方やし一緒におったらいいことあるよ
橙は縁起のよい果物らしく、名前に留まらずメンカラまで縁起いいのすごいなと思って。あと縁起→演技でドラマおめでとうのダジャレも込めて(笑)

華やかに時に秘めたるこころうち無から有生む紫電清霜
紫電清霜(しでんせいそう):姿かたちが美しく、堅固な節操を持つこと」、こじけんのためにあるような四字熟語だなと思ってます。
紫電清霜(しでんせいそう)とは? 意味・読み方・使い方 - 四字熟語一覧 - goo辞書

新緑の葉からこぼれる光たち ぜんぶ掴んで持って帰るし
多方面の才に恵まれた人ではあるんでしょうが、舞台上に居続けることは自分から掴みに行く努力なしに成立し得ないものでもあると思うのでその強さと、そんなん当たり前やんって思ってそうな軽やかさ、みたいなイメージで詠みました。

ピースサイン 笑顔にかざして愛足して もっと高くと虹かけのぼろ
虹の7色はAぇのメンカラの6色+藍だそうです。ピースで作るAぇポーズ結構好きです。

 

……ひとまずキリがよいので初年度Aぇ短歌としてここで一旦区切りとして、今年の大晴誕短歌からはまた1年分たまってからでも。

 

 

番外編

【『鬱憤』短歌】

正しさのぶつかる不協和音にも慣れたよそろそろ声が聞きたい
作品『鬱憤』のその後を生きる古崎佑理さんをイメージしたものです。「聴きたい」ではなく「聞きたい」にしたのは、糸電話に残っているメッセージの声を聴くことは出来るけど、生活の中でふいに聞こえてくる優弥の声を聞くことはもう永遠になくて、その切なさみたいなものを表現したかったためです。

僕のものはきみのものでいいからさヒーローずっと笑っていてよ
村上倫也短歌。あの衣装見て、まさかどくんがしましまの服を着ているとジャイアンに見えてしまう……という感想を持ったことから転じて、悠ちゃんのためにお水買っちゃう村上のあの感じを詠んでみました。

俺にだけ見える星がある空と背中に触れるいのちの重み
これTwitterには投稿してなかったんですが、これも古崎佑理さん短歌として詠んでたもの。「一緒に寝てた」の話から、寝室のイメージで、元々ベッドのどっち側に寝るかいつも決まってて優弥がいなくなったあとも佑理はずっとその側を空けて寝てそうで、糸電話聴けた後にちょっとだけふっきれて真ん中にどーんと寝転んだりごろごろしながら天井眺めてたらほんの少しいつも自分が寝てる方だけへたってるのに気付いてそれだけ時が経ったんだなと知る、歌です。重くも読めるけど、佑理は優弥のこと忘れずに、でも前向きに生きていくと思ってます。

 

【エイト短歌】

銀河色 笑いの隣で光った憂いのブルース あれはそう春
元々黄金期時代をお茶の間で楽しんでいたので知ってるメンバーもいたけど、改めてグループとして出会ったのが3月のHEY!×3だった。シルバーの衣装を着ていて、のこぎり芸などをしていて、その時歌われた『大阪レイニーブルース』に惹かれたのがエイトを応援し始めたきっかけです。

忘れない溢れる涙を止めるため縋らせてくれた救いの3曲
学生時代ちょっとした絶望(?)に陥ったことがあり、その時期に『Half Down』に救われてた話。記憶として美化されてるかもしれないけど、ほんと泣きながら毎日3曲リピートしてた。これがあるので私は錦戸さんに勝手にとても恩を感じており、一生嫌いにはなれないだろうなと思ってます。

埋めつくす星のひとつになりたいと書いた青紙 私の原点
初めて「ライブ」に行ったのが(その前に∞祭には行ってた)2014年のナゴヤドームでした。正直∞祭に行って、楽しかったけど他のファンたちの熱量に当てられて自分に現場は向いてない……とか思っていたのだけど、ご縁があってこのライブに行けることになり、2階スタンド、アンコールの『オモイダマ』を聴きながら、揺れゆくペンライトの光を見ながら、あぁこの人たちを支える、あの目に映る光の一員になりたい、と思った。私のオタク原風景です。

好きなひと聞かれて浮かぶいちばんはずっとずーっときみたちだった
就活の面接で「好きな芸能人は?」という質問があり、いちばんに浮かんだのが「関ジャニ∞」だったけどなんか恥ずかしくて言えなかった思い出から。その都度いろんな場で言えたり言えなかったりはあったけど、ずっといちばんだったな~と思います。

去る君に最初で最後のファンレター 届かなくていい、嘘、伝わって
これはもうそのまんま、辞める直前に一通だけ書いたファンレターの話。

お守りを目の前で歌ってくれたから成仏できたよまたね初恋
独立して最初のライブで前述の『Half Down』が歌われて、ドームなんかよりずっと近い距離で、双眼鏡もなく表情の見える距離で、この曲を聴けて、ふっとそれまでの「関ジャニ∞ 錦戸亮」が好きだった気持ちが成仏した気がした。「またね」と言いつつSee youではなくGood byeのような気持ちです。

自分から遠ざけたくせに今もまだ8って数字が大事で困る
未だに8という数字を特別に思っているし、なんとなく8はエイトのものだし7を見るとなにわを思い出すし最近は6にAぇを、そしてKAT-TUNを感じたりもしていて、数字に囚われているなぁと思います。

無限大 桃黄橙赤緑青黒と茄子 消えやしないよ
初めて買ったCDが『無限大』でした。シングルの歌詞カードの中にはまだピンク色の服を着た彼の存在が残っていて、初めてメンカラであったり、メンバーがいなくなるということであったり、いろんな感情を揺さぶられた。グループ名が変わっても、8人だったことは消えない(消したくない)という意思を込めました。

 

 

……以上、解説として書いてはみましたが、もちろん短歌を読んでくださった方がどんなイメージを持たれても自由だしそれも正解だと思います。だから言葉って面白い。
これからも短歌楽しんでいけたらと思ってますのでよければお付き合いくださいませ。

 

『鬱憤』の川に立ち眺める水流

どうも、一万七千字の女です。

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以前これだけ長文書き連ねるほどハマった作品である『鬱憤』の再演、観てきました!

 

初演での登場人物は16人と聞いていたので、新しい登場人物たくさん出てきたら一度で覚えられるかな……と心配していたんですが、再演の大枠はグレショー版とほぼ変わらず、グレショー版の「同棲(古崎佑理/由梨・優弥)」「成金学生(村上・峠・清水)」「書店(工藤・古崎・清水)」に「空き巣(土田和也・海崎すずめ・ユズハ)」が増えた4パートでの劇でした。わかりやすさも新鮮さもあって楽しかった!

第一印象的な感想としては、「これが本物か~」という感覚がありつつ、グレショー版よりもコミカルさ(笑いどころ)が多かったような気がする。近くの席にすごく声出して笑ってる方がいて、みんなで観てるから面白いシーンがより面白く感じる、みたいな、環境の相乗効果みたいなものもあったのかも。
もちろん大前提として『鬱憤』という物語であることに変わりはないので、切なさやもどかしさ、結局のところのどうしようもなさ、みたいなものは変わらずそこにある。(グレショー版の時にも書いてたけど)登場人物たちが置かれているのは結構しんどい状況ばかりで、ウイルスによってもたらされた悪い変化の結果でしかなく思える中に生きているのに、なぜか少し晴れやかな気持ちで生きて行こうと希望が見える、そんな不思議な作品。


グレショー放送時(2〜3月)と今では、世間の感覚は大きく変わったように思う。5月に5類移行となったことを境に、なんとなくコロナ禍は“終わった”とされているような雰囲気。でも私の中でこの終わりは、わかるけど、わからないまんま。わからないというか、納得できないことを納得できないまま忘れることを求められているような感覚というか。
結局何だったのか、結局これで正しかったのか? 誰にも正解は出せないし、誰もが自分なりに落としどころを見つけていくしかない。
グレショー版を観ている当時、『鬱憤』は「今を生きる私たちの物語」という感覚がどこかにあった。そして9月(観劇当時)の今、私はどこかこの作品に対して「過去の私たち」のように感じて、それに気付いてちょっとゾッとした。こんなにすぐに忘れてしまうものなのかと。
いつまでもあんなコロナ禍のままでいいと思ってたわけでもないけど、なぜか終わったと認識することに引け目みたいな感情を持っていて、そのずるさみたいなものに気付いて、うわぁ、となっている。

この観る時期による感覚の違いの他にも、グレショー版と演じる人が違って性別が変わっている登場人物も多かったことで、自分の中のジェンダー観についてもいろいろ考えさせられました(後程書きます)。

ということで改めて本編の感想をなるべく時系列で。(まさかのここまで前置き? 既に1000字オーバー)
きっとまた長くなるので、各々読みたいところだけ読んでいただけたらと思います。
(元々グレショー版が好きで何度も何度も観た上で今回の再演を観たので、Aぇの6人が発した台詞や声や表情が脳内でリンクしてしまって、そことの比較のような感想になってしまうのは申し訳ないです。あとそれぞれパートごとの解釈?みたいなものはグレショー版の感想でたくさん書いたので割愛してます。)

 


同棲中の由梨と優弥。糸電話を提案し「熱出てきちゃった」と告げる恋人。
結末を知ってしまってから観ると、同じ家の光が消える瞬間をこの時は共有できていた、同じ場所から眺めていられた、そのことだけでももうちょっと切なくなってしまう。
楽曲『糸電話』、由梨以外は2人ペアでお互いを支え合ってるようなダンスをしている中、由梨だけがひとり糸電話の糸に巻かれながら歩いていて、“一緒に暮らしている人がいることだけが救いだった”中での孤独、唯一の救いが離れていく不安と不満が際立って見えた。(グレショーでも再現はされてたけど周りの人数が増えたことで1人でいる由梨が目立ったような気がする。)


場面変わって村上宅を訪れる3人。
宇留野花さん演じる峠は、大晴くんが演じていた峠よりも落ち着いていて計算高い印象。清水もそうだけど、再演版はみんな情緒が安定している(笑) 村上くんは正門くんver.より優しくて悪気ない感じがしたし、それゆえにいじめられそ~~!!!感が強かった。
グレショー版よりも父親との関係性が少しだけ明確に描かれていた村上くん。スイカは野菜です。


場面変わる時の「転換!」が鳴り響いていたのはここでしたっけ?(戯曲買ってないのがバレる、脚本形式のものを読むのが苦手なんですすみません)
感想書くにあたってグレショー時の藤井さんのnote(3月THE GREATEST SHOW-NEN Aぇ!group×幻灯劇場 『鬱憤』|ふじいそうたろう)を読み返していたら、

もっとカットされるかなと思っていましたが、カット箇所は一箇所のみでした。カットされたのは場面転換のシーンで「清水君が 〈転換!〉と叫び音楽に合わせて好き勝手踊りながら、工藤さんにエプロンを着させて貰う」というシーンです。僕は好きなシーンですが、テレビでは絶対にいらないシーンなのでカットして正解です。幻灯版にもそんなシーンはないんです。ただ単にこじけんが好き勝手に踊っている姿を見たいという欲望がそんなシーンを生み出してしまったのです。

という文言があって、再演でやってたやつこれか!とちょっと笑いました。事前に読んどきゃよかった。
あの「転換!」だけ急に、『鬱憤』という劇中のフィクション世界に「これは劇である」という現実が混ざるので、こちらとあちらの境目が曖昧になって地続きに行ったり来たりするみたいで面白いなと思った。


そして書店。
ひとつの大きなダンボールからマトリョーシカのように小さい箱がどんどん出てくるのを「???」って開けていく由梨ちゃんなんだか可愛かった。結局中身なんてなかったのかな、大きく見える問題も元は小さいものでしかないっていう比喩かな?(←勘繰り)
ずっと思ってたんだけど、人数少ない方を選んだ清水は「少数のために大多数を犠牲に」してはいない。自分が助かる方を選んだときは犠牲にしてたけど。そうやってころころと変わる選択、正解のない問い。どちらを選んでも犠牲の出る問題。難しいねぇ、人生。


書店から帰宅した由梨で繋がって、2年前の同棲中のシーンへ。
月の光が届くまでにはラグがある。遠くにある星の光が消えたことにはなかなか気付けない。家の光が消えるのも、星の光が消えるのも、見ていたのは由梨だけだった。ひとりにしないであげて、と思うけど、ひとりにしたって死なせるよりはいい、という優弥の愛も、きっと近くにいたかったはずなのに優弥の意思を尊重して糸電話に付き合ってた由梨も、どっちも優しくて儚い愛だな。


ここでおそらく空き巣パート。(たぶん……。順番はちょっと曖昧です)
とある家に空き巣に入ろうとする土田とすずめ。
ピッキング担当・計画的・真面目っぽい性格の土田(本職は鍵屋)、よく喋る映画好きのすずめ。偶然同じ家に同じタイミングで空き巣に入ったことで出会い、相棒のような関係になった2人。
リモートワークが推奨されて、空き巣である自分たちにとっては「商売あがったりだ」と話すすずめ。「一部の職業には補償があって、私たちにはなにもない、差別だよね」。おもろ。(こういう、犯罪者なんだけど憎めないキャラクター、フィクションの醍醐味~!!!)
そして久々に思い出す「補償」という言葉。あの頃の感覚。なかなか開かない鍵のピッキング作業、予定の時間が過ぎていることを気にする土田。照り返しがひどいから布をくれと言う土田に投げられたのがタイム風呂敷柄だったのこういう遊び心最高(とか思ってたらさ〜〜!あとから書くけどさ〜!※1)
やっと鍵が開いてドアを開けると、中にはその家に暮らす女の子・ユズハがいて、「どちら様?」に「サンタ」と答える2人。ホームアローン
(空き巣パートすごくテンポよく面白いシーンだったけど私の文章力ではうまくあらすじを伝えられぬです。)
土田を演じる藤井さんの声がよすぎた……。


ここのパート転換がランボルの歌(??)だっけ?
アフタートークで話題に出たけど、この歌(ラップとダンス)のシーン、観てる時「なんかわからん時間始まったぞ~」って思ってたら、演出の意図として「突然わけわかんないことが始まって終わる」ということだったらしく、本城さんも「わけわかんなくて正解です」とおっしゃってて答え合わせで丸ついたみたいな感覚で嬉しかった。わかんない、という正解もある。あとあのシーンの村上のコサックダンスの印象めちゃくちゃ強かった。
わけわかんなくしたかったからと歌詞もラップのようにならないラップになっていて、本城さんずっと覚えられなくて苦労したとのこと。
この曲と舞台の色合いの印象、しっちゃかめっちゃかでパリピっぽくて、まさに“ありあわせの贅”みたいで、大学生~!っていう感じもしたしどこか禍々しさもあって、怒涛だった。わけわかんない富、すぐ終わる波。←韻踏んでみた


そして儲ける仕組みを語る峠、金持ちになりたい清水、水素水素水素水を配る村上。(ちなみにお父さん、アボガドではなくアボカドです。)
『立つ野は一人』で水素水素水素水が光ってたの綺麗でしたね。綺麗でいいのかね、人を騙してるものなのに。
女性の声が入るとより鋭利になっていいですね。(しかしめっちゃ今更だけどハイトーンボイス末澤とサックスできるリチャと低音ハモリできる晶哉がいるAぇにこの作品と曲がぶつかったのとんでもない奇跡だったんじゃない? なんかめちゃくちゃいいバージョン違いを観れてるんじゃないか我々……)


サイン会の準備をする村上書店。発熱する清水。見て見ぬふりをする工藤。
今考えると工藤さんもトロッコ問題の選択者の立場だったと思うけど、この場合清水という少数を犠牲にして書店という大多数を選んだのか、それとも感染の可能性という大多数を犠牲に自分の仕事という少数を選んだのか?
古崎さんとの言い合い、追い詰められる村上とこれ以上悲しい思いはしたくない古崎、どっちの気持ちもわかってしんどい。でも、この「しんどい」の気持ちがグレショー観てた当時より全然痛みのない、ちょっと考えて頭の中の引き出しからあぁこんな感覚あったなって探して当てはめたみたいなしんどさになっていて、私ももうコロナ禍を過去にしてしまったんだなと思った。


村上宅にて、峠の懺悔、全てを知っていた村上の話。
「昔のお父さんを見てるみたいで……、見てるみたいだった」ここの空白に込められた感情が掴めるようで掴めない。
電話先の清水が村上に「うちの職場来いよ」と話すシーン、あれだけ言い争ったり叱られたりした古崎と工藤のことを「職場の先輩も良い人たちだし」みたいに話してたの、グレショー版では聞き流してたけど今回すごくいいなと思った。清水の人のよさを感じた。


空き巣に入った家で、通報するのしないのとドタバタする3人。
次第にわかってくるユズハとその父親の関係。この家の状態。
私はこの父親に対して直行でネグレクトを疑ってたんですけど、X(旧Twitter)の中で「医療従事者だから帰ってこられないのかも」という推測をされてる方がいて、その可能性を思いつけなかった自分を恥じたよ……。あの頃医療従事者はほんとうに大変だった、ということをもう忘れかけている自分がいる。
ネグレクト(育児放棄)と、やむにやまれぬ事情で帰ってこられない、では、この家庭の中に在る愛情が全然違ってくる。帰ってこないことが子供に感染させないための愛かもしれないし、父親だって人間だから、子供の食事を気にかけられないくらい追い詰められているのかもしれない。ユズハには「お父さんはこの家のものに興味がないの」と思われていたけど、疲れ果てて寝に帰るだけの生活になっているのかもしれない。
「21時には帰ってくる約束」は、土田たちの下調べ情報によると「1度」守られていた。
「1度だけしか守られてない(本当は帰りたくない)」なのか、「1度でも守られた(帰ってきたい気持ちはある)」なのかでは父親の人物像も大きく変わってくる。
……だからといって、ユズハの置かれている状況は変わらない。ユズハの孤独も変わらない。
一人家に残されて、食べ物もなく、寂しく過ごしている時間。怪しい空き巣をサンタクロースだと信じたふりをするほど、誰かとの会話やふれあいに飢えていたのだとすると、10歳でそれを抱えるのはあまりにも悲しい。
長い人生の中で、いつだって“変わるタイミング”とか“自己が作られるタイミング”みたいなのって来得るとは思うんだけど、割合としてやっぱり10代とか子供の頃とか、そういう一定の若い時期に受けた影響や置かれた環境の力って大きい。そういう意味で、このパンデミックの数年間がその時期に当たってしまった子供たちや学生たちのことを思うと、なんとも言えない気持ちになる。だからってどうにもできんけど。


白い布で覆われた、きっとウイルスが蔓延する前の過去の時間。
土田の営む鍵屋にやってくる優弥。友達同士の2人。空き巣の時は「土田(さん)」な土田が優弥に「和也」って呼ばれているだけで関係性を感じることができるの面白い。由梨が「由梨」と「古崎さん」であるように、相手や環境ごとに、同じ人の中でもそれぞれに見せる違う側面がある(清水はどこに行ってもたぶん「清水」っぽい)。
「同棲するから合鍵作ってよ」「あの残したカレーパン食べてくれる彼女?」「最近忙しい?」「ブーム終わっちゃったから副業始めたんだ」「今度3人で映画観に行こう」「やだよわざわざ、ネトフリでいいじゃん」「一緒に観るのがいいんだよ、一緒に笑うのがいい」「ひまになったらな」
コミカルなやりとりの中に、なんの疑いもなく未来の話をしていた優弥という切なさが混じる。
優弥が由梨のことを友達に話している姿を思い浮かべるとなんとも可愛いし、それを覚えている和也もいい。難しい映画が好きで、友達にも「何言いたいのかわかるけど、何言ってんのか全然わかんない」と言われていた優弥。
ほんとはみんなで観るのが好きな優弥が、誰とも会えない中で同棲している彼女すら糸電話で遠ざけて一人で映画観て過ごしてた時間を思うと泣いちゃう。

で、ここのさ~~~!(※1の話)
土田の好きな映画『ワンニャン時空伝』、私はタイトル覚えてなくてたまたま感想ツイで見かけたからなんの気なしに検索かけたら、この映画、時空を超えた冒険の物語で、キャッチコピーが「ぼくたち、また会えるよね。」だと。

ドラえもん のび太のワンニャン時空伝 - Wikipedia

藤井…………!!!!!!←思わず呼び捨てにしちゃったごめんなさい
カーーッ、やってんな〜〜!! この人やばい、すごい。ここでそんなことしてくるのほんとやばい。
なんかさ、感想ブログとか書いちゃってさ、少しでも作品のこと理解できた気になってすみませんでした。所詮我々は藤井颯太郎の掌の上……。
土田の台詞の中にもなんていうかこう“刺してくる”みたいな言葉ってたくさんあったけど、こーーーんなさりげないところにそーーんなストレートボール隠されてることある!? 天才かよ。もう朝ドラやるわ、この人はいつか朝ドラの脚本家になります。いやまじで考察系連ドラやってほしいな〜〜〜トレンドかっさらってAぇとボクらの時代に出てくれ〜!笑


……………はい、感想戻りまして。


空き巣に入った家。
「ひまは突然襲ってくる、頼んでもないのに」と怒りのような感情を出す土田。この「ひま」は、おそらく「空虚」といった意味合いで、優弥の死によって二度と埋められない「ひま」の時間のことかなと思った。
どの映画を観るかでドタバタやりとり(かわいい)があったあと、『ひまになっちゃった』が流れ、光に包まれたような中、3人で映画を観ている姿。
グレショー版ではこの空き巣パートがなかったので、『ひまになっちゃった』は登場人物全員の、ひいてはコロナ禍を生きた者みんなの、広く大勢の気持ちを代弁したような楽曲という印象だったけど、今回はそれがもっと特定の具体的な、例えばユズハの曲であり、土田の曲であるように感じた。「僕を見てよ」がユズハの心の奥にある痛烈な思いだとしたらそれを「どうでもいい」と投げやりにしてしまうまで積み重なった時間と諦めが悲しすぎるし、どうにか救われてほしい。

約束したのとは別の3人ではあるけど、“3人で映画を観ている姿”は和也と由梨と優弥にとってのあったかもしれない未来のようでもあり、男女と子供という組み合わせからなんとなく家族団らんイメージが沸いて、ユズハとその両親だったり、もしかしたら優弥と由梨とその子供という、パンデミックが起きなければ存在したかもしれない未来のようにも見えた。あったかもしれない未来、できたかもしれない家族、でももう永遠に叶わない「3人」。
そして途中でポップコーンを持ってくる優弥が登場する。みんなで一緒に映画を観る、きっと優弥のすきだった時間。あ~なんかこれ書きながら泣きそう。

なんとなく、この『ひまになっちゃった』がいちばんグレショー版との違いがあった曲だと思ってて、再演版(空き巣組)のよさを感じつつ、改めてグレショー版のジャケット抱きしめて踊る佑理とか楽しそうにポップ作る工藤さんとかを思い出したりもしました。ジャケットダンスはまたどっかで何かで観たいな~、切ないけど大好きなシーン。


握手会は行われたけど、結局潰れそうな村上書店。
「特定するなって言ってんだろ!」ってヘッドロックかける工藤さん、末澤ver.でも観たかったな。


そして最後の留守電。
「僕が食べきれなかったカレーパン、食べていいよ」「ご飯食べて元気でいてほしい」「ちょっと残しといてね、帰ったら食べるから」グレショー版から何回も聴いてるのに絶対泣いちゃう。(これ書きながらグレショー版観直してまた泣いた)


最後の『糸電話』と、みんなが出てくるカーテンコール。
最初の由梨のナレーション「病気が流行して4年……」は時間軸としては優弥の死後に回想するようなところからの言葉なので、それがこの最後の「留守電聴いたよ」に繋がって物語が一旦終わり、ここから先また由梨たちの新しい未来がまた始まるんだなと思う。「言葉になる前の言葉 口にするよ次は」、糸電話を置いて、「次」に向かって生きて行く人たち。みんな元気で幸せであれ……。

 

◆アフタートーク
私が観劇してたのは劇作家/演出家の山口茜さんと、藤井さん、本城さんとのトーク回。

藤井さん・本城さんと山口さん、始めましてならぬ二度目ましてだったらしくそれであんな人前でトークするのなかなかのセッティング(笑)
上記ポストにもあるように、山口さんが舞台の感想として「小4くらいまで普通にそこにあった友情を思い出した作品」みたいなことをおっしゃっていて、それを作品だけではなく幻灯劇場のみなさんにも、Aぇ! groupにも感じたとのこと。計算や損得勘定のない、ただ信頼だけがある関係みたいなことかな~? 山口さんは今回の再演の前にグレショー版を観ていたそうで(山口さんがグレショーやる際に過去作品の資料として渡されたのが『鬱憤』だったとのこと)、アフタートーク全体通して結構Aぇ! groupの名前が出たけど、3人ともいい意味でAぇのことを「アイドル」ではなくて、ただ以前一緒に楽しく仕事した素敵な俳優たち、みたいな感覚でお話されてるように感じて、それが勝手にすごく嬉しかった。ちなみに藤井さんは「晶哉(そう呼んでくださいと言われた)」、山口さんは「さのちゃん」呼びだそう。

山口さんがグレショー→再演と観て、佑理(由梨)と優弥について「男女逆かと思ってた」という話から、少しだけその関連のお話も。
藤井さんいわく「グレショーと再演によって男女逆にすることによって見えてくるものがあった」「例えば男だと命令でも女だとお願いになったり、由梨(女性)の台詞を佑理(男性)にするときに、これは女らしい言葉だけど、男でも言えるなというものがあったり、逆に峠の男らしい雰囲気を再演で女性が演じるときも残してたり」とのこと(ざっくりニュアンス)
命令とお願いの違いについてはなるほどなぁと思ったし、男女が違うことで変わるものと変わらないものについていろいろ考えさせられたのでちょっと書きます。

今回2パターンの『鬱憤』を観て、人をその人たらしめるものは何か?と考えてしまった。
同じ人物でありながら、顔も声も違う。特に性別が違えば、生きてきた人生はまるで違う、でも、そんなに変わらないものなのか?
特に自分の中にあるジェンダー観についてとても考えさせられた。

これは妄想混みの個人的な感覚になるけど、グレショー版での工藤と古崎について私は「工藤:新卒から村上書店一筋、古崎:転職組で工藤とは同い年、みたいな関係性」と勝手に想像してて、でも再演版の工藤と古崎には「工藤:主任や店長などの役職者、古崎:正社員だけど役職なし」みたいな先輩後輩感を感じた。これって、同年代の男が複数(多数)同じ職場にいるのは普通でも女だと何かしら意味や役割、そこに配置されている理由を必要とする、みたいな感覚なのかなと思って。工藤が女だと、社畜ゥ!って言われるほど働いてた人物像に対して、末澤さんが演じた男の工藤に比べてより一層「なぜそこまで働くのか」みたいな背景を見出したくもなった。別に女だって普通に働くの好きでいていいはずなのに。無意識に刷り込まれた「男は仕事、女は家庭」みたいな価値観を、私はきっと排除しきれていないんだと思う(これはこれで理に適ってる部分もあるので一概にダメということもないだろうが)。
峠と村上と清水についても、男女3人で友達であることに意味なんてなくていい(理由がなくたって友達でいていい)のに、男同士3人よりも、3人が仲良くなったのは何かそれぞれに友達以上の感情があるんじゃないかって勘繰りたくなったり。それに、例えば男が男に「(君は僕の)ヒーローだ」と言うのと、男が女に「ヒーローだ」と言うのとでは、後者の方が言う側(村上)の中に劣等を強く感じる気がしたりとか、逆に「いじめられ仲間」と自虐的にしょぼんとこぼした峠のシーンは、大晴くん演じる男の峠の方がやり返せないことに劣等を感じてそうだったり。現段階の3人の中に安易に恋愛感情があるとは思わなかったけど、村上と峠がこれからもずっと仲良くしていくのならいつか2人の関係は友達ではないものに変わっていくのかな~とかも思ったし、だけどグレショー版の男同士の村上と峠の時にはそんなこと考えなかった。片方の性別が変わるだけでまた違う発想が生まれるの面白いけど人間のめんどくささかもしれない。
だけど清水だけはまじでいつだって清水だと思えるのがまた不思議で、清水はいい意味で他人が自分の心にいないところがほんとにいい。金持ちになりたい欲はあってもそこに「誰々と比べて」とかそういう感情がなさそうなところ。この物語の救いは清水……!
人をその人たらしめるものは何か?への答えなんてそう簡単に見つかるもんでもないけど、普段、周囲の人なり、推しくらい遠い人なり、“その人”であることを判断してるいくつもの要素の中で、何が自分にとって大切で、何が変わると自分はどう思うのか?対象が自分ならどうか?とか、そういうのを考えてみるのも楽しいかな~って思ってます。


あとめっちゃ今更だけど、あの人物に「峠」って名前すごない!???

峠(とうげ)とは? 意味や使い方 - コトバンク

① 山の坂道を登りつめた最も高い所。 山の上り下りの境目。 転じて、山。 ② 物事の勢いのもっとも盛んな時期や状態。上り下りの境目、最も盛んな時期。

こんなドンピシャな名前ある? すご……。
この物語にこの名前(言葉)が存在することを思うと、空き巣パートの土田の言っていた「一時期ブームがあってそれが終わった」みたいな言葉がまた効いてくるなと。峠を越えたあとに待っているもの。ブームが終わったあとにも生きて行くこと。それは峠や土田だけじゃなく、パンデミックが過ぎ去ったあとの人生を生きる私たちにも通ずるものでもある。



このブログを書こうと劇場でいただいたパンフレットに目を通していて、「病気が流行して四年、というあらすじを“並行する未来”として書いていたのに現実の時間が追い付いてしまった」「フィクションと現実が並走する唯一の年」(意訳)という藤井さんの言葉が載っていた。
それを読んで、作品にするということ、言葉を残すということは現在から過去に触れることであり、過去の方から未来に触れてくることでもあるのかもなと思った。2年後にようやく聴けた糸電話のように、いつかの未来、今が過去になったとき、この今の言葉が、かつて観た作品が、自分を支えてくれるかもしれない。



余談。他の方の感想読んでて気付いたんですが、みなさんあれ肉声だったのすごない? まぁ確かに思い起こせばマイクなんてつけてないように見えたけど、え、ほんとに???? 思わず疑ってしまうような、めちゃめちゃいい声だった。私いちばん後ろの列で観てたけどみなさんの声全然しっかり聞こえたし音量でいう強弱の弱でも届いたもん。すごいね。
特に藤井さん、一緒に観に行ってたフォロワーさんと終演後いのいちばんに言い合ったのが「「藤井さんの声がよすぎる………」」だった。グレショーの中で時々指導として歌ってらしたの見てたしYouTubeも見てたけど、本物の圧すごかった!! 歌声もいいし芝居の声もいいし普通に喋っててもよかった、めっちゃいいマイクでめっちゃいいエコーかけてるみたいな声してたけど芝居中機械一切通してないんだもんな~~とんでもねぇ~~~~。

 

 


最後に、今回、冒頭の記事きっかけ、つまりは『鬱憤』きっかけで知り合ったフォロワーさんと一緒に観に行って、衣装着せたぬい並べて写真撮ったりいろんな話が出来てめちゃくちゃ楽しくて、そんな出会いに繋げてくれた『鬱憤』に改めて感謝です。
素敵な作品をありがとうございました!!!

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語ろうぜ、なぁ〜!!!みたいな気持ちがあるのでもしよかったら何でも話しかけてください。

佐倉にマシュマロを投げる | マシュマロ

 

 


【あとがき的ななにか】

……ここまでの感想は、おおよそ9月中くらいには書き終えていました。その投稿がなぜこの10月末になったのか。イナズマやその他予定でバタバタしていたのもあるけどいちばん大きな理由は、コロナに罹ったから、です。(おそらく、にはなりますが)

上記にて、散々「過去のものになってしまった……」的なこと言っておきながら、全然現実だった!!!!!!

(ちなみに「おそらく」というのは、抗原検査キットでの陽性は出なかったため。その時期、濃厚接触者にあたる人で複数陽性者が出ていて、私自身の体調としても微熱や喉の痛み、身体のだるさがあり、のちに味覚・嗅覚の不調が出たので、タイミングと症状からしておそらくそうだっただろう、と思ってる、という話になります。)

幸いにもこれまでの3年間、家族などの身近に感染者はおらず、自分も(無症状で罹っていた可能性はあるけど)感染を疑う症状になったことはなかった。今回いざ症状が出て当事者になった時、家族や会う約束をしている友人に広げてしまうかもということをめちゃくちゃ切実に考えたし、自分もどうなるんだろうかと不安になった。特に味覚と嗅覚がなくなった時は「本当にあったんだ、コロナ」って思ったし、自分の感覚の一部を失うってめちゃくちゃ怖いことだった。それがいつまで続くかわからなくて、もしかしたら治らないかもしれない。だとしたら、こんな風に前触れなく人生変わるポイントって訪れるんだと思ったし、優弥や由梨や、『鬱憤』の登場人物たちの変化への恐怖とか不安みたいなものについて改めて思いを馳せたといいますか。(結局味覚も嗅覚も5日ほどで回復しました、よかった。)

今回の経験(?)で、彼らの不安を理解できたとは思わないけど、どこかで過去の、それも少し自分とは違う世界の物語のように感じていたものが、またグッと「自分の物語でもある」という感覚としてこの作品を捉えるようになった気がします。
私は元気になったし、今のところあからさまに後遺症的なのは出てないけど、そうでない人もいる、ということはちゃんとわかっておきたいと思う。

人間いつ死ぬかわかんないよなって普段から思ってるところはあるんだけど、同じくらい長生きしたいなーとも思ってるので、みんなもご飯食べて元気でいてください。

それではまた。

幸運が彼らを裏切らぬように

『Aッ!!!!!!と驚き全国ツアー2023』静岡4/26 の感想です。今更〜!笑

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【セトリ】Aぇ!group Live Tour 2023 全日程セットリスト【Aッ!!!!!!と驚き全国ツアー2023】│新時代レポ Ver.2.0

セトリはここら参考にしました。当時のメモやら途中まで書いていた感想文やらを元に薄れすぎた記憶を呼び起こして追記・編集したものですのでいろいろ齟齬あったらすみません。

 

●OP映像
映像が可愛かったけど6人いると目が足りないすぎてよく覚えてないので早く円盤ください。この映像は特典として別途フルでください。

1.Aッ!!!!!!
曲がいい、Aぇ! groupはほんとに曲がいい……。キラッキラ衣装で出てきて本人たちもキラッキラでした。でも客席から登場するなバーーカ!!!(という愚痴をのちほどたくさん書いてるのでご興味ある方はどうぞ〜)

2.僕らAぇ!groupって言いますねん
楽しみにしてた曲のひとつだったから、うわ早速きた!って気持ちがバタバタした(笑) 配信ライブとか観てて声出して一緒にやりたかったから出来て楽しかったー! 誠也くんほんとに声高かった……。
「出会っちゃったのが運の尽き もう俺らにしか満足できなくない?」ほんとこれなんだよな~~~~~~なんか悔しいけどさ!笑

3.Firebird
ドゥドゥン!だけはつい晶哉ちゃん見てしまうな。あわよくば「かわええ子ばっかやな」聴きたかった~! でもオリジナルをきっちりやるのもすき。

●ここで挨拶?みたいなのとC&R?
みんなで「Aぇ!」コールして、晶哉ちゃんと「やっほー」のこだまごっこ?した。かわいい。

4.King&Queen&Joker / Sexy Zone 
5.君の彼氏になりたい / Snow Man
御三家〜! 年下〜!! ひーーーーー! どっちのユニットも最高すぎてお願いだからここだけでも絶対円盤化して……なんでもいいからもっかい観れるようにしてください……。

6.Party-Aholic
聴けてめーっちゃ嬉しかった!!!!!! 上下のセットとスクリーンを使った演出も凝っててよかった。目が足りん! ……ただ、見れたら嬉しいと思ってた気持ちが大きかった反面、席の関係上スクリーンが見切れててせっかくの演出を最大限楽しめなかったのがほんとに残念。「見えねぇ!!」とか思ってたらあれよあれよと展開していってしまった……。絶対いい感じのやつ(演出)だった、ちゃんと見たかった。はよ円盤くれ……あわよくばマルチアングルか全体定点でほしい。(こういうことがあると見切れは見切れ席として売ってくれんかな、せめて席わかったときに注釈付けててくれんかな……とか思っちゃった。まぁ全体30曲あるうちがっつり見切れてたのこの1曲だけだったので文句言うレベルでもないんですが。)

7.MY MP3 / 赤西仁
カッケーーーーーー曲だった〜!! Aぇ! groupこんなんもやるんや!?ってなった。格好よかった。まぁ始まった時はスクリーン上の「JIN AKANISHI」の文字に思わず二度見したけどね。事務所内での仁さんの楽曲扱い謎すぎる(7/4仁さん誕生日ライブのレポいわく、良好な関係を築いているようで何よりです)。
8.WHIP THAT / SixTONES
カッケーーーーーー曲だった〜!! Aぇ! groupこんなんも(以下略)
このライブ、SixTONESの曲めちゃくちゃカッケェなということに改めて気付いた時間でもあった。それを歌ってるAぇはもちろん格好いいんだけど曲がすごかった。

9.君が思い出す僕は 君を愛しているだろうか / V6
さっきとは違うベクトルでAぇ! groupこんな曲もチョイスするんや!?となった曲。原曲知らない曲続いてたから新鮮だったな〜。
こじけんのピアノソロこれだっけ……?? 空間が「「「美……」」」て感じでした。

●たぶんここでよし子のやつ?
ボックスでお着替えしていろいろ。ペンラでゲーム参加できて楽しかった! 警察官バージョンの大美を見られてありがたかったです(合掌)。

10.ストーリぃ!
コント?からの流れでコスプレ衣装のまま歌うの愉快。あとこれはまじでほんとに曲がめちゃくちゃいい。晶哉ちゃん天才。Aぇ! groupは持ち曲がよすぎるので、ほんと活動も体裁もJr.のままでいいので早く音源出してください(???)。

●MC
手錠が外れなくてどうの、官能小説家がどうの、という話があった気がする(ぬるい記憶)。晶哉「YouTubeでいじられるのはいいけどファッション誌で帽子被ってそれでトレンド入りするのはだめよw」
(もはや何話してたか忘れたのでメモに残ってたこと書いとく)
・ラジオの話 関バリ、ステッカー
・FINEBOYSの話 プレッシャーかけられてたw
・ダーツはこじけん 半分過ぎてまだまさかどくんセレクト出てない~の話(結局当たらず)
この日替わり曲、よくよく考えたら毎回6曲ランダムの中からどれが来るか直前までわからないのにどれ来ても即座に歌って踊れる準備してあるのすごくない??????

11.I promise / King&Prince (福本セレクト)
キラキラ曲を歌うAぇさんもまたよき。

12.LOVE YOU ONLY / TOKIO
チャリ漕いでた。新聞飛ばしてた。関西を感じた。

13.スキすぎて / Sexy Zone
記憶ないけどたぶん可愛かったと思います。

14.ちゅきちゅきハリケーン / なにわ男子
可愛かった〜!! ちゅきちゅきやると問答無用で可愛いのたまらん。あとなにわとAぇ、先輩後輩いろいろな関係性でそれぞれを尊重しながら別のグループで頑張ってるのとてもよい。

15.One Love / 嵐
ちゅきちゅき最後「付き合ってください」からの「いや、結婚してください」でこの曲に入る流れ天才。
この曲は結婚式で愛しげに新婦を見ながら余興に飛び入り参加して一緒に歌う新郎の正門主任に失恋する曲です(違う)。

16.しらんけど / ジャニーズWEST
関西真骨頂〜!

●ここでダンスパート?かな??
リチャ末はほんと~~にダンスがうまいな(知ってた)。

17.Grandeur / Snow Man
末澤さんのバチクソうまダンスが冴え渡ってた。気がする。キーが合うんだろうな、歌声も冴え渡ってた。

18.RAM-PAM-PAM / SixTONES
めーーーっちゃくちゃカッケェなんだこの曲!?ってなった。曲もいいし照明もよかったしチャラ衣装めちゃくちゃ似合ってた。

19.ロマンティック
今回初めてこれがJr.曲なの知ったんだけど(曲自体はドリライで聞いたことあった)、こんな良曲を関ジュで持ってる?の、つよい……。

20.Break Through
この曲のC&Rやりたかったから嬉しかったな〜。Aぇ! groupの曲はほんとに好みで困る。はよ音源ください。

21.ブラザービート / Snow Man
バンドバージョンのブラザービートめちゃくちゃいいな!?!? 後ろの映像が本家っぽくカラフル漫画調になっててその融合がめちゃくちゃ楽しかった。

22.Banger Night / Hey!Say!JUMP
バンドの後ろで末澤さんソロで踊ってたやつ? これまたバチクソうまダンスが冴え渡ってたです。ほんとすごいあの人。

23.勝手にしやがれ / 関ジャニ∞
わたしこのきょくあんますきじゃないんだけど(平仮名にしてぼやかす)、Aぇが歌っててちょっと好きになれてきたかな〜という気持ち。時が経つことで変わっていく感情ってある。

24.PRIDE
直接過去を見ていたわけではないけどいろいろと見聞きするに彼ら6人ともアイドルとして決して順風満帆とは言い切れない人たちで、でもだからこそ集えた6人でもあって、そんな彼らが「生まれ変わっても僕でいたい」をプライドとして歌うの、もうほんとに胸に来るものがある。まじで6人が思い描く夢、叶えまくってほしいし、出来ればずーーーーーーっと6人でいてほしいな〜!!!!!! まぁそれぞれが自分の人生、後悔なさそうな道を選んでいくのがいちばんですが。どうか彼らの未来が幸せでありますように……!

●挨拶
リチャ「直に会って声がするって最高、こういう機会を増やしたい、一緒に大きくなっていきましょう」
大晴「いつも新幹線で静岡通り過ぎちゃうけどやっと止まれた! またAぇ! groupとしてもっと思い出増やして、富士山みたいに高くなりたい」
晶哉「やっほー!(客席も\やっほー!/) 最高に楽しかったです! 僕らの思い出をみんなが作ってくれてる。FINEBOYSとか、笑ったらだめなとこも笑ってくれるみなさんが大好きです」
こじけん(晶哉に)初めて鼻に指入れられましたw どうでしたか僕の初めてw こんな感じでライブならではの、テレビではカットされるようなお笑いがあったりとか。また一緒に騒げたら嬉しいです!」
末澤「一公演一公演、全身全霊全力でやってるので、拍手とかすごい嬉しい。また楽しい時間を作れるよう頑張るんで今後ともよろしく」
正門「ライブで会うからこそ一つの時間を過ごせる、それぞれ違う思い出を持って帰ってもらって、それが宝物になっていけば嬉しい。誇り高いグループになっていきたい」

25.ボクブルース
初めて行ったエイトのコンサートで『オモイダマ』を聴いて、ペンライトの海を見ながら私もこの光の一部になりたい、なろう、と思った気持ちを思い出した。私のオタクとしての原風景みたいなもんなんだけど、それを改めて、でも新鮮に呼び起こしてくれたAぇ! groupに出会えてよかったな~と思います。
終演直後のメモに「ボクブルースのちぇに惚れた」と殴り書きしてあるのだけどもうどこでそう思ったか思い出せないな……。でもきっとべらぼうに美しかったのだと思う。←これ思い出そうと思ってYouTube観てたらなんか今の事務所のごたごたもあって泣けてきた。名曲!

www.youtube.com

 

アンコール
26.Aッ!!!!!!
グッズいろいろ身に着けながらのアンコール。キラキラ空間で楽しかった~!

 

◎全体とか雑多にいろいろ
いい意味で「Jr.の公演」だったな~と感じた。いろんなグループの曲があるのもそうだし、演出とかも含め、いい意味での“未定”感。私の個人的好みはコンセプトがちがちライブ(KAT-TUNのような)なんだけど、Aぇにはこういうしっちゃかめっちゃか格好いいも可愛いもキラキラもお笑いもバンドもぜーーんぶやります!がとても似合うし、全部出来ちゃうのすごいし、本人たちもいろんなことをそれぞれ楽しそうにやってるように見えたのでよかった。
あとナポレオン衣装見せてくれてありがとう!!! めちゃくちゃ格好良かったし全然曲と合ってなかったけど合ってないからこそ最上級のド正装だったんだろうな~と思って、あれを選んでくれたの勝手にとても嬉しかったです。みんな似合ってる!

以下ひとりずつについての感想です。
末澤さんダンスうんっっっま!!! ガチネバの時は歌うんっっっま!って思ったけど、今回はダンスうんまかった……。もちろん歌もうまいけど。この人ほんとに不思議で、何度も映像で歌ってるのも踊ってるのも見てるのに、生で見るとめちゃくちゃ感動するうまさがある。私は元々生で見ることにそこまで強いこだわりある人間じゃないんだけど(視界不良の賭けに出る現場より配信で全然楽しめるなぁみたいな)、末澤さんを見て聴いてほぼ初めてに近い「生で見る感動」というものを覚えた。同じ空間で同じ時間を過ごしてるという価値以外の、本質的?な、歌やダンスを生で体感することの意味みたいなのを感じるの、もしかしたらこの人だけかも。すごい。ほんとに。
リチャくんは最後の挨拶がめっちゃアイドルっぽかった。どうしても見た目に引っ張られるけど、やっぱりこの「アイドルという職業」を選んでここにいる人なんやなぁと思った。そしてダンスうま、歌うま。このグルーヴは真似できない、間違いない。
まさかどさん……。まさかどさんね。私、AぇはYouTubeから入った箱推しで、情報局の登録では誰か1人の名前を入れなければいけないので強いて言えば大晴くんかなと、一応大晴くん担として参戦したつもりだったのですが、公演中つい双眼鏡で追ってしまうのはまさかどくんでしたねぇ…………………。全然顔好みじゃないんですけど!?!?!?(ド失礼なことを言うな) でも顔以外たぶん全部すきなんだよな、これまでの推しとしてきた人たちの感じに重なるんだよな……。「恋愛の好み」とは違う「推しとしての好み」みたいなの、仕事へのスタンス的なやつ、あぁいうのがたぶん、まさかどさんなんだよなぁぁああああでも私はまさかど担にはなりたくないんですほんとに。沼すぎるので。甘い地獄なので。彼は大層罪深いので。まさかどくんのこと『嘘未満 本音でもない「好きだよ」の罪を償いながら重ねる』だと思ってるので。でもフォロワーに「結局まさかど担でよかったです?」って聞かれるし「登録は大晴だよ」って答えたら「Twitterで大晴くんの話全然してないやんw」と言われたりしてるんだよな~~~。でも私は!!まさかど担には!なりたくねぇ!!!!!!(抗い)(抗ってる時点でよ)………………これライブの感想か?
そんな大晴くんですが、まず顔が好み、めっちゃ好み。顔が好きなのは強い。でももちろん顔だけじゃなくて、自らが可愛いとの自覚を持ってもちもちマイムしたりきゅるるん大美したりしてるところとか、セクシー曲セクシーにやり切るところとか、勉強を武器のひとつとしてアイドルでいるために努力してるところとか現代社会で学力があるっていうのはつまりより多く広い人生の選択肢があっただろう中、視野広げた上でやっぱりアイドルを選んで、アイドルでいるためにまた視野広げていって、みたいな、芯のブレなさと努力家なところほんとに尊敬する)、1人で女心の憧れの全て(格好良さ、頭の良さ、チャラさ、運動神経の良さ、面白さ など)を叶えてくれるところとか、あとほんと可愛い……顔が…………(結局顔)。Aぇの中にいると弟みたいな振る舞いだけど、実生活が長子だからか根がお兄ちゃんな感じが垣間見えるとにこにこしちゃう。同期のまさかどくんといると主導権握ってる感じがすきです。
晶哉ちゃんはすごいよねこの子は。大晴くんとはまた違ったとんでもない地頭のよさ。頭の回転がめちゃくちゃ速いうえにそれをアウトプットする力がすごいね。静岡に富士山ある!→「やっほー!」に転換する可愛さ。あんなハイスペックな中に可愛さまで持ってるのがすごい。
こじけんもだいぶ頭の回転速いけどちょっと斜めってるんだろうな、それはそれでほんとうにすごい。あと顔が美しい、すごい。あの顔にあの体格なの神様は欲張りだよね。グループの中できっといちばん狂った発想するけど、いちばんまともな普通の社会人の感覚も持ってる人だと思ってて、そこらへんがリアコと奇才のハイブリッドこじけんを生み出してるんだろうな~。ってこれはもう全然ライブの感想じゃないですね。失礼。

話をライブに戻して、そういえば結局、何が「Aッ!!!!!!と驚き」だったんでしたっけ??? 43公演も全国ツアーやるで!ってこと??????(ほんとはここで何かしらの発表予定が事務所のゴタゴタで流れたとかだったら泣くな~)

 

からの、愚痴。
以下、倍率鬼高い中1公演行けただけでもありがたかったというのは大前提での、ただの個人的な文句です。愚痴です。読みたくない人はグレー部分飛ばしてくださーい。
今回の座席3階バルコニーだったんですが、公演終わっての第一感想?が、「3階バルコニーに人権なかった!」だったのは我ながらちょっと悲しかった。客席降りから始まって何度も客席降りがあって……という構成だったのと、工夫を凝らした演出が物理的に見えなくて楽しめない曲があったこと。客席降りというパフォーマンスがあること自体は否定しないけども(元々全席平等に楽しめるなんてことはないとわかってはいる)、個人的には回数も時間も多く感じたし、特に私は一番最初の曲が客席から始まったのがほんとにめーーーっちゃくちゃ嫌でしたね。どうしたって席によって距離の違いが明確にあるんだから、最初の最初くらい客全員が同じ姿を目撃できるところから出てこいよ。あと私が行った公演の会場の構造的に、客席に降りられると3階バルコニーからは見えなくなるメンバーが出てくるんですよ何人も。6人中3人視界から消えるとか。自分の目で担当を追えもしなくて、同じ金額払ってる設定(まぁ実際はみんな積んでるんだろうけど)で激近な距離からファンサもらってるオタクをモニターで見る時間、何?ってなっちゃった。
どの席でも平等に楽しめるようにしろと言いたいわけではなく、不平等なことはわかってるし仕方ないと思ってはいるけど、アイドル側にはそこらへんを理解したうえで「客は皆平等であるという心持ちでいてほしい」「建前でいいからそう感じられるような公演を目指して欲しい」とは思ってる、という話で、そして今回の公演で私はそれを感じられなかった、ということです。
大晴くんがちょこちょこ上の方もありがとね〜みたいなことを言ってくれたのにどれだけ救われたことか。見えてるよ〜って嘘つかなくていいので(だってこっちから見えてない笑)、上の方にも人がいることは認識していてくれ〜!
……ま、こ〜〜んなこと言ってたらJr.担続けらんねーんだろうなぁ、って思いながら終わった初Aぇ! groupコンサートでした。楽しかったけど同じくらいモヤッとした! でもこれたぶん1階通路脇の席とか引いてたら「めっちゃ近く来てくれた最高♡」とか言ってるだろうから、そんな適当オタクの戯れ言として流してください。

 

長々書いたけど、今年全ツに行けたことは本当にありがたかったと思ってます。
今年のAぇ! groupを観られてよかった!

またライブで会える日が来ると(チケットが当たると)いいなーーーーーー

2023上半期エンタメ記録

もう幾度となく「現場記録まとめたいな〜」とか「これまでの読書録まとめたいな〜」と思いながらも全然やってこなかったのでひとまずいい頃合いとして今年の上半期記録残します。てか今年が半分終わるのやばすぎ(毎年この時期になると言う)。(……というのを6月末に書き始めてなんだかんだもう7月も中旬になっちゃいました。時が経つの早すぎ……)

 

【現場と映画など】(★→現場 ☆→映画、ライビュ、配信)

2022年12月(初っ端から「2023上半期」ではないが1〜3月は現場がなかったので代わりにこちらの2つを。)

★THE GREATEST SHOW-NEN 舞台『ガチでネバーエンディングなストーリぃ!』 大阪(森ノ宮ピロティホール
記念すべき初 Aぇ! groupでした。
いつかブログに感想まとめようまとめようと思いながら番組での放送も終わってしまったのでここに簡単に残します。
「ガチでネバーエンディングなストーリぃ!」というタイトルをひしひしと感じられるような、ずっと続く未来の見える(終わりのない)物語でした。ここで初めて末澤さんの歌声を生で聴いたわけですが、うんんんんっっま!! 観劇直後のメモに「末澤さんはテニスボール、まさかどくんは面で広がる声」と書いてあり自分が書いた言葉ながら分かるような分からないような感覚ですが、6人それぞれが声にも様々に個性があって、シンプルなうまさにプラスされた“良さ”があってすごかった。
末澤さんはストレートに真っ直ぐ届く声、まさかどくんは染みわたる感じの声、大晴くんは可愛さや色気やら都度感情が見える声。リチャくんは外見が目立つからそれ以外が霞みがちなだけでめーーーっちゃくちゃ歌うまいよなこの人!?!? 万能に誰とでも馴染む歌声でありつつグルーヴが唯一無二。晶哉は透き通る美しい声、こじけんは刻々と変わっていく成長過程みたいなのを見れてるのが嬉しい(笑) Aぇ! groupは「個性派揃い」みたいなのがグループの武器や色として前面に出てる印象だけど、それが攻撃力なのだとしたら「歌うまい」が確かな防御力として彼らを支えているのだと感じる。
このRPGの登場人物という設定と作品に、「ある程度の枠組みの中で選択的な自由を与えられるさまがアイドルという生き方と被る」みたいな分析をされてる方がいて、なるほどなぁと。人生のいろんな選択肢がある中で、そしてどれを掴んでも成功を掴めそうな人たちが「アイドル」という道を6人で生きようとしてくれていること、本当に嬉しいなと思います。
物語の中にこれまでのグレショーでやってきたことがちりばめられていたり、メンバーカラー六色で歌が作られていたり、そもそもタイトルからしてグループ名の「Aぇ! 」にかけたであろう「リぃ!」だったり、Aぇ! groupへの愛に溢れた作品で、推しがそんな番組をレギュラーに持っていてこちらも幸せな気持ちでいっぱいです。

★『DISH// ARENA LIVE 2022 “オトハラク” 』
結局これが今のところラストDISH//になってます。約3年間追いかけた日々はこれもまたひとつの青春でした。ライブの感想としてはアリーナ単独やるDISH//を見届けられてよかったなぁという感想です。でも私はやっぱりあの空間がペンライトの光で埋まる景色が見たかった。シャボン玉が出てきて笑顔でわちゃわちゃする彼らを見て幸せも感じたけど、今はもう自分がその幸せのためにと貢献したい先ではなくなった感覚ですかね。気が向いたらジャニオタ界で言う担降りブログでも書こうかな〜。

 

2月

現場というわけではないけどUSJに行きました。

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コナンの脱出ゲームこの数年間ずっと行ってるけど一度もクリアできなくて悔しい。

 

3月

☆『わたしの幸せな結婚』
ラブストーリーかと思ってたけどいい意味でそこまでラブ強めではなく、言うならば異能バトルファンジー時代劇?でした。長髪銀髪和服&軍服姿の目黒様もさることながら、今田美桜さん、美しい桜と書いて「美桜」、名は体を表すとはこのこと……とクレジットを眺めながら思ってました。

 

4月

★『KAT-TUN LIVE TOUR 2023 Fantasia』大阪(大阪城ホール)/5月 静岡(エコパアリーナ
こちらもいつかブログに(以下略)、相変わらず“最高を更新し続ける男たち”でめちゃくちゃよかった。KAT-TUNのライブ行って「前の方がすごかったな」とか思ったことない、毎年「前回を超えてきた……!」って感覚がある。すごい。昔の曲も結構やってるけど、飽きることもないし、古さを感じたこともない。懐かしさよりもあの頃みたいにガンガン行こうぜ!!みたいな気持ちになる。
オーラスの静岡では4月の大阪で見えなかった機構のあれこれとかおそらく会場ごとでのセットの違いとかが見られて楽しかった。もっと3人のこと見ろよって気もしますが正直KAT-TUNのライブには半分セットと演出を楽しみに行ってます。「コンサート演出のすべて at.KAT-TUN 〜光編〜」「〜炎・水編〜」「〜機材・機構編〜」みたいな専門書あったらちょっとほしい。

☆劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』
もはや毎年のルーティン。相変わらず赤井さんがぶっとびすごい。水に弱い電子機器を海の中に埋めるんじゃないよとか、でも海底ケーブルは実際あるしなぁとか、鯨の声が聞こえる薄さの壁は危ないのではとか、ごにゃごにゃ考えつつマァこれも結局爆発か崩壊かするんだろな〜と思いながら観てたらやっぱりでした。これが見どころなのはわかるけどあまりにも毎年崩壊していくのでそろそろコナン界は劇場版の時期にデカい建物のお披露目をしない方がいいのではと余計なことを思ってしまった。
大学時代にコナンにハマり一応平次推しなんですけども、ここ数年ずーーーっと劇場版には出なくて、安室さん人気でぐんぐん作品に対する世間の熱量が上がっていくのに反比例して個人としては最近あまり熱を持って追えてなかったんですが、来年おそらく、ついに、くるぞ〜!!!!!!!!!!

 

★『Aッ!!!!!!と驚き全国ツアー2023』静岡(アクトシティ浜松
いつかブログに以下略、以下雑感……とここに書こうと思ったのですがいざ書き始めたら長くなったので別記事にします。
(2023/9/21追記)超絶今更この「別記事」書き上げたので載せておきます。

r2187.hatenablog.jp

 

☆劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』
音羽尚の映画だったな……!(違うけど違わない)
お決まりだがしかしアツい、戦隊モノや水戸黄門的なよさがある作品でした。感想はTwitterでギャーギャー書いたのでここでは割愛。

 

滝沢歌舞伎ZERO FINAL』ライブビューイング
ありがたいことにFINALの大千秋楽を観ることができまして。全体的に急ぎ足ではあるものの彼らの圧倒的なパフォーマンス力みたいなものを映像越しでも感じるような、エネルギーのある舞台でした。
最後の五条大橋?で3人と6人からの9人になるところはさすがに涙腺にくるものが。ラウが顔くしゃくしゃにして泣いてて、メンバーもみんな泣いてて、この滝沢歌舞伎に並々ならぬ思い入れがあったんだろうなと思うと、タッキーなぜあんな風に辞めてしまったのかとつい考えてしまう。私たちに説明しろとはいわないからせめて人生を変えた関係性であった彼らにはその心や行動の理由が明かされているといいなと思います。

 

5月

☆『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』舞台挨拶ライブビューイング
美しさと不気味さが絶妙に融合された映像。終わってからあぁあれとこれが繋がってたんだなとたくさん答え合わせが出来るような緻密な作品だったように思います。総髪や静かに狂っていく姿など高橋一生ファンとしてもグッとくるものがたくさんありました。
あと関連ファンミでいっせーさんが(アドリブうんぬんの話の中で)「素なんか出すわけねーじゃん」と言い放ったのがめちゃくちゃよかったですね。
映画の感想ではないけどこのツイートがアカウント史上いちばんバズったりしまして、もう若手Jの外部作品舞台挨拶は総じてリモート参加にすればいいのではとか思っています。地方ライビュ勢はそれで何のデメリットもないのでね……。

 

6月

現場も遠出もなく、夏現場の当落だけがありジャニーズ現場は総じて落選であり、やや残念な月だったかもしれない。今年のなにわ男子と夏のAぇ! groupに会いたかった〜〜!! 引き換えというわけではないけど一生さんの舞台楽しみに行きます。
そういえば唐突に読書欲が高まってピーク時は1日1冊ペースで小説読みまくったりしました。読書録もいつか上げるかもしれん。

 

【連ドラ】

・舞い上がれ
パイロットを目指す女の子の物語」みたいに始まったのに結局パイロットならんのかーい!いや最終話だけなるんかーい!ってなった(笑)  主人公の感情の変遷があんまり理解できなかったのと特に後半がバタついたのは残念だったけど、人間、合理的な答えばっかり出せるわけじゃないもんねぇという学びにはなった気がする。目黒蓮がなぜか初恋を奪い特に本人に寄り添うことなく去って行ったのは今やいい思い出。秋月さんが結構好きでしたよ。

・らんまん
15週現在、これまで積み重ねてきたものがほろりほろりと芽吹き出すような面白さで毎日楽しみに観てる。モデルとなった牧野富太郎さん調べたら今の時代からするとそこそこクズ(実家に住まわせてる嫁から仕送り貰いながら研究してたくせに不倫相手と暮らして子供作るとか)だったので、綾と竹雄というポジションとキャラクターにすることで純粋に楽しめる朝ドラになっててすごいなぁと思ってる。笑

・どうする家康 (4話まで観てそれ以降録画したまま溜めこんでる、いつか観る、きっといつか……。)

 

1〜3月期

・女神の教室〜リーガル青春白書〜
トンカツがめちゃめちゃ食べたくなるドラマだった……。

大奥
回を追うごとに「とんでもないものを観た」感が増していくような、気迫のある作品だった。シーズン2も楽しみ。

・星降る夜に
匠海さんがめーーっちゃくちゃ可愛かったです。(推しの好みと自分の好みが合うとは限らないし推しがいつも面白いドラマに出るとも限らない、心底面白いドラマに推しが出るこれ奇跡)

・警視庁アウトサイダー
普通に面白かったです。

・ヒヤマケンタロウの妊娠
いろいろ考えさせられたし、男も妊娠する世界だったらいいのになーーー!!!ってめっちゃ思った。

・大病院占拠
Twitter実況と共に楽しむタイプのやつでしたね。

・ハマる男に蹴りたい女
仕事出来るイケメンに惚れられたいもんだよね……笑

・6秒間の軌跡〜花火師・望月星太郎の憂鬱
星太郎と水森さんの恋でもない家族でもない適度な距離感の関係性がよかった。母親との軋轢を消化していくようななんともいえない表情は高橋一生の真骨頂て感じでしたね。

この他「リバーサルオーケストラ」の評判がよかったから観ればよかったかなとちらり。でも直感でいっか〜ってなったものを見始めるのってなかなかね……。

 

4〜6月期

・風間公親 -教場 0-
正直内容的には合わないタイプのミステリー(トリックと動機の重さが合わないというか、価値観の違い的な)だったけど、映像でも伝わる重厚さとか荘厳さみたいなものは観ていて面白かったです。結局どうなったんだっけ、妹……。

・王様に捧ぐ薬指
あまりに顔面が美しすぎると画面から輝きの圧を感じることを知った。すごかった。内容もちょうどいいラブコメでよかったです。

・わたしのお嫁くん
こちらもゆるラブコメでよかった。古賀さんが最後までただの博多弁ハンサムでそれがよかったけど少し恋愛モード見たかった気もする。古賀さんと赤嶺さんのスピンオフとかないかな〜。

ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と
ツッコミどころめちゃくちゃあったけど勢いで最後まで持って行ったな。なんだかんだ毎週楽しみに観てました。山田裕貴の芝居のすごさを知った作品。本当にすごくて、そう思って記憶を辿ると今まで観てきた作品の至るところにいるな、山田裕貴。毎回キャラ違うからあんまり考えてなかったけどあれもこれも同じ人かとびっくりしてる。上半期だけでも大河の本多忠勝と月9の藍井先生とこの萱島とドラケン、いろんな全然違う山田裕貴いた。すごいね。

・帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし
よかった、すごくよかった。“続編”ってそこそこの割合で「なくてもよかったなぁ」みたいなのあるけど、これはめちゃくちゃ「「あってよかった」」。前シーズンレギュラーの西畑くん演じる花輪先生が出てきたのも嬉しかったです。

・ラストマン-全盲の捜査官-
泉きゅん殺してたらブチ切れてたと思うけど(涼香のこと根に持っているので)、さすがに死ななかったので安心しました。全体通してまとまりがあって大変面白かったです。

この他「だが、情熱はある」の評判が(以下略)。たまにインスタで流れてくる動画観ながら海ちゃんもしんたろも本人に見えすぎてすごぉ……ってなってる。

 

【特別枠】

グレショー『鬱憤』!! 

r2187.hatenablog.jp

出会えてよかった作品のひとつです。9月の大阪も行くよ〜楽しみだよ〜〜

 

ということで以上上半期エンタメまとめでした。下半期も楽しんでいきましょう!

 

自分らしく挑めの名のもとに

Snow Man 1st DOME tour 2023 i DO ME』7/2名古屋公演お邪魔してきました〜! 楽しかった!!
スノ担のお友達に連れて行ってもらったけど、申し訳ないくらいのいい席で観れて大変ありがたかったです。

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(風船の近くでペンラ光らせると風船自体もその色に光って見えるの気付いた人すごい)

レポというよりただの個人的な感想ですがざざっと曲ごとに書いていきます〜。

セトリはこちら参考にしました。

【セトリ】Snow Man LIVE TOUR 2023 全日程セットリスト【i DO ME】│新時代レポ Ver.2.0

 

●OP映像
メンバーがいろんな職業に扮してカッコつけてた(言い方)。あとからメンバー(ラウ)プロデュースと聞いて納得のよさだった。ゆり組だけゆり組してたの強すぎるしラウの足の長さはもはや笑ってしまうやつ。
まだ本人見てもないのに阿部ちゃんにこの日最初の「やってんな……」感情を抱きました。

1.D.D.
上から出てきた時点で優勝!!!(客席降り登場がほんとに嫌いなんだなと再確認)
でもネタバレ踏まずに行ってたしどこから出てくるかわからなくて、出てきた瞬間は見逃しました残念。

2.KISSIN’ MY LIPS
椅子使って踊ってたやつかな? この曲、こーーーーーんなにどえろなダンスだったんですね……腰ぃ…。
ラウのそういうのはまだなんだか見てはいけない気持ちになったのと、一人あたりの足つけられる範囲がすごく狭い中で踊っててすごいなぁと思うなど。

3.Grandeur
ムビステでシューシューしながら迫って来てたやつかな!? 特効間近で聞くと音やばかったけどその分ド迫力ですごかったです。※あとから聞いた話、この煙の量、初日以降のどこかでおそらく松潤のアドバイスで調整されてたらしく(初日は量多すぎて何やってるか全然見えなかったとのこと)、思い出しては「潤……!」という気持ちに(笑)

4.Nine Snow Flash
ムビステがセンステ真上くらいの位置で止まって、座席的に正面ちょい上に肉眼ではっきり見える距離。目の前で9人がぐるぐるステージ上を回っていくのを半分パニックになりながらとりあえずうちわを出す。目の前すぎてペンラの色を変えるのを何回かミスる。当たり前だけど本物すぎて「うわぁ高画質」という感想を抱く。突然の近距離Snow Manにアワアワしたけどめっちゃ楽しかったー!!!

5.ブラザービート
バクステに行かれるともう見失うしかないです。ドームは広い。曲すごい好き。

6.Hip bounce!!
7.POWEEEEER
ほぼ記憶ないシリーズです、たぶん外周回ってメインステ移動してたので見失ってた。こーじくんがスタンドにぶんぶん手振ってる後ろ姿を眺めてました。

8.イチバンボシ
メインステ階段に9人がやや離れて立って歌って、後ろにキラキラ星が瞬いてるような映像が流れてる中、最後みんなの立ち位置をつなぐとひとつの☆のマークになるようになってた(↓これのこと)。ド正面でそれが綺麗に見える席だったのですごくありがたかったです。

 
 
 
 
 
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9.Julietta
こーーーれだけめっちゃ解釈違いだったな!(笑) 客席映す演出を全否定はしないけどこの曲でやることか? 映った客席にメンバーが反応したりすればまだわかるけどそれもなくただ歌うだけなら映す必要なくない!????? また、ファンを恋人に見立てたような歌とかならわかるけど「罪作りなプリマドンナ」でそれはないじゃん!?!? この曲好きだったから「ちがぁーーーーーう!!!!!」ってなってた(笑) まぁ公式のやることにこっちから解釈違いもなにもないんですけどね……。曲自体はちょっとKAT-TUNぽさあるなと思ったりしてます。

10.クラク
『Julietta』がアレだったのでこれの演出(ドレスのマネキン)の素晴らしさが際立って際立って……。最後メンカラに光る模様もそれは美しかったし、歌ってるときのメンバーの仕草もめちゃめちゃよかった。とはいってもめめこじメインで他の人あんまり見れなかったのでこれは円盤化したらじっくりそれぞれの振る舞いを見たいやつ。

11.JUICY
メインステ横一列で並んでたやつだね~(薄い感想)

12.Gotcha!
可愛いがカンストしてた。あべこじどっちもめーーーーっちゃ可愛かった。今回のユニットで一番好きな曲だったので近い場所(センステ)で歌ってくれて幸運に感謝。後半走っていくバイクは逆サイだったですがそんなこと全然いいよぉって思える可愛さと楽しさでした。ガッチャのフリ一緒に出来たのほんといい思い出。

13.Vroom Vroom Vroom
「ハッハッハ」ってアメリカの人形みたいに笑うひーくん可愛かった!!! ふっかさんのコントモード楽しいし、舘様のおおとりポーズも可愛かった。
おちゃらけやりとりからの曲(ダンス)シーンとのギャップで、ここまで当たり前のように見てたけど改めてみんなダンスがうめぇなとしみじみしました。

ここと次の曲の繋ぎの時間に、照明が当たってない暗闇の中(アリーナの客席横通路みたいなとこ)をふっかさんがすごいスピードで通り過ぎていった。「ふっかさん(顔大きいイジリあるけど)全然顔小さいじゃ〜ん!!!!!!!!」と思ってる間にシュン!っていなくなった(笑) 毎回思うけど芸能人って近くで見ると縮尺が一般人とはほんとに違うよね……みんなほっそ! 薄!

14.DA BOMB
KAT-TUN思考で行くとユニット(ソロ)曲は続けて行われるものだったので、次のユニットはバクステか~と思ってたらワラワラメンバー出てきて「!?」ってなってるうちに終わってしまった(笑) 正直曲も知らなくて「なんだこれ初めて聞いた!」ってなりながらメンバー見失ってて、どこ見たらいい!?ってなってるうちに終わった。歌舞伎の曲だったらしく、たぶん格好いい曲だったと思う!笑

15.W
16.Crazy F-R-E-S-H Beat
『Crazy~』はよくYouTubeでPV見てたから、本物のうねうねダンスだ~!みたいな感慨があったな~。

●MC(『Dangerholic』)
MUSICDAY見てくれましたかー?みたいな流れから、ラウが「生で見たい人~~」とか煽り出してたぶんめめが「やろう!」って言って曲披露。
この『Dangerholic』が好きすぎてほんとに……。覇者の風格の目黒蓮最高すぎ。
おそらく、照明もこの曲のために作られたものではなく比較的簡素なもので(一定のリズムで光がぐるぐる回ってるような感じというか)、客席も明るいような状態だったんだけど、それがむしろストリートっぽい雰囲気を醸し出しててこの曲にも合ってて、とにかくめちゃくちゃよかった。Snow Manはドームみたいな大きい会場で、その道のプロが集まった本格的な演出で歌って踊れるグループだけど、この9人が集まって歌って踊ってればそこが路上でもどこでもステージになるんだろうな~みたいなことを思った。みんなダンスがうまくて楽しそうで、シンプルなステージだったからこそ彼らの良さが際立った1曲だったな~と思う。

その後は順番にお着換えと告知。スノはMC(トーク的なやつ)あんまりなくて告知だけって聞いてたけどほんとにないんだな……。前々からこのコンサートでの告知タイム、ジャニーズは基本的にはFC会員(になるくらい彼らの動向を追いかけてる人)しか客席にいないんだから既に解禁されてる情報を再度本人から告知する必要ある?と思ったりはしてる、まぁ関係者へのアピールとかもあるのかもだけど。それにまつわる裏話とかあるなら大歓迎なんだけどな~(私の好み的にトークおもしろいグループばっかり追いかけてるのもある)。
でも今回はめめの「今夜7時から番組出ます~でも…みんなは見れないね」のはにかみ笑顔がめっちゃくちゃ可愛かったのでなんでもいいです。

17.タペストリ
曲始まる前にしょぴが「鼻かんでくればよかった」と言い出しそれに「どうぞ」と自分の衣装を差し出す舘様(ヨッゆり組ィ!)。間髪入れずに聞こえてきた阿部ちゃん低音ボイスの「最高かよ」わらった。

18.Secret touch
この曲はめめの「を」の発音が「O」じゃなくて「WO」なのがよくわかってすきです。この曲かどうかわかんないけどたぶんさっくん?と後ろでなんかしてた、にこにこ笑ってたの可愛い。

19.オレンジKiss
・・・・・(記憶ないシリーズ)

20.僕という名のドラマ
メインステ上段で歌い上げてたやつ~~~「主人公なりに」がすきポイント。

21.ナミダの海を越えて行け
22.8月の青
両方めちゃくちゃ好き曲なので聴けて嬉しかったんですけど、アリーナ放置外周ファンサ曲だったので世界観がどうみたいな感想はないです。本人たちあんま見えてない(笑) めめが名前うちわにぶんぶん手振ってる後ろ姿を眺めていました。でもメインステ上段がそのままドデカトロッコみたいになって外回っていくのはドームのデカさを感じてグッときた。

23.Snow World
そのドデカトロッコがそのままバクステ位置でガシャーンって融合したみたいになって、上にも伸びて、センステ前アリーナから見たらほんとに「物理的に大きなものを見上げている」みたいな状態になりそこで歌われる『Snow World』、ここで妙に改めてドームというステージの大きさみたいなのを感じて「あぁ、9人でドームに立ってる……!!!」っていう感慨深さにちょっと泣きそうだった。

24.ファンターナモーレ
たぶん知らん曲やな……メインステに戻っていった曲ですかね、、席の関係上、上手側の外周は全く見えなかったので下手側にきたこーじくんがスタンドにぶんぶん手を振るのを眺めていました。

25.君の彼氏になりたい
曲自体めっちゃ楽しいやつだったけどライブで更に楽しかったな~! ゆり組がゆり組でゆり組でした(???)
すっとばす佐久間さんとちゃんとお付き合いしたい目黒さんどっちもよき。プロポーズの流れを芋きんつばにしたの正解すぎたし、普通に芋きんつば食べたいすぎる。

26.Two
キミカレからの落差よ。情緒……!ってなったw

27.Bass Bon
これが噂の……ってなった。ラウのスタイル、二次元より二次元だなと思いました。

28.slow…
29.Super Deeper
いいよね、、(また記憶ないシリーズ)
たぶんこのどっちかの曲でめめがすんごいいい顔してて、なんというか充実した表情みたいな感じで、なんて楽しそうに踊る子なんだろうと思った。あんなに売れてアイドルやってくれるのありがてぇな~みたいに思ってたところあるんだけど、本人もこのダンスとか歌とかパフォーマンスの時間が心から好きなのかなと思えてすごくよかった。

30.Party Party Party
めっちゃ盛り上がるなこの曲!
走るダンスみたいなの生で見れて嬉しかったな〜。たぶん前の列の人にひーくんが特大ファンサしてたのこの曲かな? ほぼ会話してた、すごかった。

31.Cry out
ドッカンドッカンなってたやつ、みんな上裸になってたやつだ、そんな中高貴にほわ~っとした雰囲気のまま脱がない目黒さんすきですよ。
こじくんがタンクトップぶち破って(?)から、終わってから裸に上着着てたのなんか可愛くてずっと見ちゃった。

●挨拶
頭まわんねー目黒くん、また来年とかやりたいしょぴ、生きてたらまた会えるさっくん。泣きそうな顔で肉声届けてくれるこじくん、「みんな大好きって言ってー」「だいすきー!」「あいしてる!」可愛すぎか。

32.あいことば
3人が寄り添って歌ってるところでブワァ(感涙)な気持ちになりました。支え合ってきたね、ここまでね。

●アンコール
33.Lock on!
好き曲なので聴けて嬉しかったです。
たぶん花持って登場したのここよね? ムビステが上通ってく時しょぴに真顔でガン見された(気がする)し、隣に誕生日のしょぴ誕いたから少しくらい反応してやれよ!!みたいな気持ちになったw
こーじくんがムビステの透明床(越しの私たち?)に何回もお花投げてくれててエア花束ゲットした気分になれましたありがと〜〜! あとめめがしょぴにお花あげてたところは見えたけどその後のレポ見たらメンバーみんなに配ってた(?)らしくて、めめっぽいな~と思ってにこにこしちゃった。

34.HELLO HELLO
「へろーへろーやねん!」ってやつ、言ってた? 言ってなかったら幻聴ということになるけどそれが声だけでも可愛くて(たぶんバクステらへんにいたから姿は見れてない)きゅるるんでした。

35.ブラザービート(パート混ぜバージョン)
相変わらずファンサタイムのアリーナ放置ぶりがひどかったけどそれだけドームは広いってことなんだよなと思って感慨深かったです。……メンバー9人もいるのに1~2人真ん中通るルート作れんかったんか!?(本音)
アンコール中のどこかで「サインボールすぐ消えるから気を付けてなぁ!!!」って言ってたかわいい。

●Wアンコール

36.ZIG ZAG LOVE
Snow Manが最初にもらった曲だ〜!」初ドームでこの台詞はエモすぎ(誰が言ったか覚えてないけど←)さっくん、阿部ちゃんのバク転目の前で見たんですが、重力とは……。そのノリでラウのでんぐり返し?みたいなの可愛かった。
さっくんのアクロバットほんと「ポンポン飛ぶな〜」って感想がしっくり来る軽さ。
サビで、目の前でバチバチに踊る阿部ちゃんを目撃。最後もたぶん「みんなでせーの!」みたいにZポーズしようとしてて、昔のYouTubeとかでもずっとこのZやってた阿部ちゃん思い出してしみじみした。最初にもらったこの曲が大切で大好きな阿部ちゃん可愛い。

 

◎全体雑多感想
今まで行ってきた他のグループのライブと当たり前だけど全然違って、グループごとにセトリの癖ってあるんだよな~というのをありありと感じた。iDOME(アルバム)聴いてるときに「これたぶんライブの後半だな」「挨拶後の1曲っぽい」とか「前半の締め」とか「MC開けっぽい」とかなんとなーーくそういう予想してたけどことごとく外れて、でも全然「期待外れ」の方ではなくて、「想定外」の面白さだった。
あと今回結構上の方までリフター上がっていく曲が何曲かあって、ドームという巨大空間で上にもお客さんいることわかって作ってるの素敵だな〜と思ってたらこれも松潤のアドバイスで変化したポイントだったらしく、ほんとさすがだな潤……。こういうのは実際に近づいたかどうかというより近くにいてくれようとする心配りの問題なので。
でもいっこ文句というかツッコミいれるとしたら9人もいて特定の人が特定の場所に来すぎじゃない!?ww いくら箱推しでもやっぱり自分の推し近くに来てほしいし、これはサイチェンとかしたくなるわなぁと思ってしまったよ(ダメ絶対!ですが)。もっとバランス良く全員1回は来たな〜みたいにならんかったんかな……? 逆に人数多いから動線難しいのかしら。

 

……まぁなにはともあれ、Snow Man初ドーム完走おめでとうございました!
夏の思い出をありがとう

『鬱憤』の湖を潜る

今いちばんオススメの作品は?と聞かれたら私は迷わず『鬱憤』と答える。
よかった。とてもいい作品だった。『鬱憤』に出会わせてくれてありがとうAぇ! group。

と妙な語り口調で始めてしまったが、THE GREATEST SHOW-NEN 第16回公演『鬱憤』めちゃくちゃよかった!!!!!! ということを長々書きたいと思います。

もし番組やAぇ! groupのことを知らない方でうっかりこれを読んじゃってる人は興味あればあらすじ等々公式HPを見ていただいて。

www.asahi.co.jp

ほんと全力で方々にオススメしたいのに現時点でこの『鬱憤』という作品を最初から観る方法がないのがとても残念なところ(※1)。一応原作のダイジェスト動画貼っておきます。

youtu.be

ただそもそもグレショーという番組そのものがAぇ! groupをトンデモエンターテイナーにしようという大きな策略が働いてるとしか思えないような大変良い番組なので、是非いろんな人に観てもらいたいし、現在悔しくも関西ローカルなのでできれば全国放送お願いしたい……!(内容改変とかせずそのままの雰囲気で、ゴールデンとかにならなくていいから深夜帯のまま、全然遅れ放送でいいのでどうかそのまま全国に!!!笑)

tver.jp

※1 これを書き始めた当初はそうだったのですが、23年4月現在、なんとめでたく『鬱憤』再演決まったそうです!! 行きてぇ~~~

 

ここまでで500字余り費やしていることで察してほしいんですが、ここから先ほんとに長いです! トータルで17,000字とかなので、どうぞゆっくりのんびり頑張って(?)読んでいただけたらと思います。目次とか器用なことできなくてすみません、地道にスクロールしてください。

①まず、それぞれの回の感想を視聴当時のメモを元にまとめたもの。余談もちょこちょこ。

#1 1/28放送分(稽古過程)
ミュージカルではない「音楽劇」という聞き慣れないジャンルの本作品。グレショーはほんといつも新たな学びを与えてくれる。通算16公演目でも新ジャンルに出会えるって演劇って奥が深いなと思う。特徴的かつ面白いなと思ったのが「登場人物以外が(他の人物の心境を)歌う」シーンが存在すること。BGMがバックグラウンドではない形で存在するみたいなことかな? 指導の時にちょろっと歌ってるだけでもわかる藤井さんの歌のうまさにびっくりした。作家さんじゃないのこの人!?(のちに知ったところ、役者として舞台にも出ている多才な方でした。)
Aぇ! group6人でインチキ商品を考案しつつ偉い人を予測していくエチュード、商品をすぐ思いつける6人の頭のよさとまさかどくんの部下に飲み物持ってこさせる仕草を思いつける発想力にすき……てなった。(公式Twitterの未公開映像で最後割とまともな商品出しちゃう晶哉ちゃんが可愛くてまたすき~~!ってなった。)

タイトルにもなっている「鬱憤」、言葉の意味としては「心に溜めている感情」。どちらかというとマイナスなイメージのある言葉だと思うのだけど、それがどう発散されるのか? そもそも発散に向かうのか、押し込めるのか。コロナ禍が静かに終わりに向かいつつある今だけど、全て元に戻るわけでもあの時間がなかったことになるわけでもない。そういう、ある種今を生きてる人たち特有の共通感情を形にして見せてもらえるのかなと勝手に期待しておく。

#2 2/4放送分(第一話)
恋人で同棲中の佑理と優弥。家事の諸々を「やってくれる?」と、生活を共にしている人同士の会話が可愛い。糸電話で会話しながら、少し離れた場所から同じ光を見る、消える瞬間を共有する。「俺たち以外にもいるんだね、人類」。世界に2人だけのような時間。ウイルスの蔓延する世界で、人に会えない世界で、1人じゃないという救い。そんな相手から告げられる、そんな相手に告げる、「熱、出てきちゃった」。不安と不満と焦りと切なさの伝わる佐野晶哉の声色たまらん。
ここで劇中歌1曲目の『糸電話』(余談ですがAぇ! group6人の声の相性というかハーモニーめっちゃ“良ッッ!”ですよね……)

youtu.be

離れれば近づく、糸を伸ばすことで聞こえる声。なのに「張り詰めた糸」「聞こえなくなる」と歌う。「留守電聞いたよ 怖くて出られなかった」からの「次は出るから またかけてきて」、ここの、まだ未来の約束をしたい関係を続けたい気持ちと、またかけてきての受け身感から出る微かな怯えみたいな感情表現がすごい。来るかも変わらない「次は」を何度も繰り返してるのもまたこの希望を見出したい気持ちとどこか逃げたい気持ちのないまぜ感がよくわかる……(とこの放送当時は思ってましたが、話が進むごとにこの歌の解釈も少しずつ変わっていくのです。のちほど書きます)。曲が流れている中、糸電話の糸に絡められる佑理は縛られているようにも、守られているようにも見えた。
このシーンはいろんな人がいろんなところで別々の動きをしていて(ドキュメンタリーパートでの解説曰く、人々がそれぞれの生活を送っている様子とのこと)、定点カメラで全体映像を視点を変えて何度も観たすぎる……! テレビや配信で制作側が最も見せたい人(顔)をしっかり観られる良さはもちろんあるけど、自分の見たいものだけを見られるのは生の観劇の良さだなと思う(とはいえ実際の舞台では肉眼で表情まで見えるなんて人間の大きさと視力的に前列の限られた人たちだけだし難しい問題)(グレショーさんマルチアングルで円盤売ってください)
一方場面が変わって、村上宅へ遊びに行く峠と清水。新事業で3千万の車買って維持できる稼ぎを叩き出す峠悠太、普通に有能である(あと大晴くんは別名イキリストなのでこういう成金ぽい役がよく似合いますね最高)。成功した悠太の語る「誰かが一得したら誰かが一損する」、それが経済だと。儲ける方法は、「誰かの」損を「自分の」得にすることだと。(ところで余談、ここはパンデミック何年目の世界で彼らは大学何年生なんだろう? 佑理たちの会話からして“2年目の冬”は自粛期間で仕事にも出られない状況と考えると、ウイルスが少し落ち着いて「久しぶり」な友達も家に遊びに来れる程度なのは3~4年目? 書店と同時期? 悠太や倫也が休学・退学を考えるってことは卒業が目前に迫ってる4回生とかではないと思うんだけど、過去を回想した会話に「食堂」って出てくるから1回生の最初くらいは大学に行けてた? 「俺も大学進学しとけば」という台詞からして清水はおそらく高卒で働いてるはずだけど、高校にも食堂あるタイプのエスカレーター式の高校~大学とかなのかな??)
これまた余談だけど佐野晶哉の「り」の発音世界一可愛くない??

#3 2/11放送分(第二話)
工藤、佑理、清水の働く村上書店。感染対策という名目で揺らぐ価値観、経済が止まるリスクと感染リスクはトロッコ問題。「僕が逃げれば」と答える清水、その柔軟さは場合によっては褒められる才能に感じるけど、ここでは「(間違ってはないけど)やばいなお前」となる。「僕じゃないから」「人数少ないから」とあくまで主観で答える清水に対して「少数のために大多数を犠牲にするな」と“客観的に俯瞰して”の言葉を放つ工藤。もちろんどっちが正しいかなんてわからない。
それにしても工藤さん、末澤さんのもつ狂犬らしさ(?)が存分に発揮されてて良いな~~! 花岸叶先生の声色になる工藤さん超絶可愛かった。
場面変わって、一緒に暮らす佑理と優弥の家。街の灯りが減ったから見やすくなった星。前のシーンで語る月の豆知識を「知らなかった」という佑理。もしかしてこれは過去、「今は(恋人)いない」の書店が未来ってこと??(※ここほんとは「同棲の2人=2年前」「書店=2年後」という設定は#1のドキュメンタリーパートで既に明かされてたのですが私はそれを把握していなくて、物語を追いながら台詞や状況から発見していく感じでした。逆にこの作品の構成の面白さを正面から楽しめたからよかった)
月の光が地球に届くまではラグがある。星が死んでもすぐには気付けない。遠くにいると、ラグが起きちゃう。「何言いたいのかわかるけど、何言ってんのか全然わかんない」。星空は過去、今晩何食べるは未来。優弥と未来の話をしたい佑理が愛しい。食べきれなかったカレーパンを「食べていいからね」って、「一人で食べきれないものを二人で食べきった時一緒に住んでよかったな~って思う」って言う優弥、めちゃめちゃ可愛い。
検査キットを見つけた佑理の「もう糸電話おわり?」の声が嬉しそうで、佑理は優弥に会いたかったんだなと思った。そしてまた糸電話に戻ろうとする優弥に「いやなんだけど」、この台詞に佑理が優弥と一緒にいたいと思う気持ちの全てが詰まってた。検査キット後の会話はドキュメンタリーの方観てからもっかい観直すと切なさ倍増。最後かもと思いながら笑顔で抱きしめる覚悟と、どうなっても最後まで一緒にいようと決めた覚悟。近くにいればラグは起きない、「死ぬときは近くにいてよ」、自分の感染リスクや不安よりも側にいたい愛と、「死なんから」精一杯の強がりと相手を守るために遠ざける愛。留守電の最後の声を聞けてないのが切ない。ポジティブって言葉きらいになりそうだ!!!

#4 2/18放送分(第三話)
村上宅。退学届けと幼馴染である2人の過去。金持ちになりたい清水。
悠太の語る儲けるための仕組み、需要と供給の把握、誰かの損を自分の特にすること。でも検査キットの代用品にルームフレグランスは売っても検査キットの買い占めはだめとか、彼なりに「やっていいことと悪いこと」の規範がある。最初のルームフレグランスが売れちゃったからどんどん怪しげな商品になっていったのかなぁ……。悠太は自分の事業の成功が人を騙した結果だと理解していて、騙した相手が見知らぬ「誰か」のままなら友人に自慢気に語れるビジネスだったのに、その相手が親友になると途端に罪悪感が膨らんでいく。人間の人間らしさだなと思う。
3人いて、「友達が騙されてるの見てられないだろ」「友達騙してるの友達だからさ」→「誰かが一得したら誰かが一損する」の構図になるの最高!
幼い頃からの親友を騙してたことを知って悠太はビジネスをやめるのだろうか、それともこのまま突っ走るのだろうか。倫也の水素水素水素水を配って「ずっと元気でいてね」という純粋さ、こわいな~。
そして劇中歌2曲目、『立つ野は一人』。「誰かが一得したら誰かが一損する」という台詞直後に「この世は平等」って歌詞がスパーンと入ってくるのゾッとする。平等……、この世という神様の天秤の上でゆらゆらしてるみたい。

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暗闇の中のダンス、倫也が転んで清水がそれに手を伸ばして、と今の3人の状況を描いてるみたい。(公式Twitterより 転ばしてる表現は意図したものだったそう)

「ひきつけた孤独」の歌詞のところの悠太こと大晴くん、踊りながらちょっとだけ笑ってて、自分を嘲ってるようでとてもいい。パワフルなんだけど危うげで怪しくて怖い歌。
あと末澤さんの歌声はやっぱり素晴らしい。余談ですが末澤さんが過去にこの世界を辞めようと思ってたって話何度も聞いたことあるけど、もしかしたらそのままこの歌声がどこにも披露されない世界で私は一生知らないままだったかもしれないと思うと、ほんと恩人屋良くんありがとう!!! これを私は末澤さんの歌を聴くたび思ってる、もちろんタイミングやら運やら、その当時と比べたら本人の意識の変化や積まれた努力もあるだろうけど、かつてこの歌声が(本人が辞めることを選択肢にするほど)埋もれてたってほんととんでもねぇ世界だよ……。

そしてリチャくんもまじでしっかり美声歌ウマなのがAぇ! groupの層の厚さだと思いますすごい。

#5 2/25放送分(第四話)
清水の非常識が思わぬ方向に転んで実現することになった、人気作家花岸叶のサイン会を控えた村上書店。
高校のエアコン28度でひとり盛り上がる工藤さんと、「月かよ」って笑い転げる清水が重なる。この2人ベクトルが違うだけでどこか似てる気がする。
発熱した清水を心配する佑理、「風邪だから」とごまかす工藤。「今陽性者が出たら全部なくなる」、現実もそうだった。結果的にどれだけ無となったものがあったか計り知れないよなと、もう戻ってこないこの3年間を思い出す台詞。
ロッコ問題の線路に置かれる、一人の健康と会社の未来。清水は重症化するかもしれない、しないかもしれない。会社はサイン会がなくても潰れないかもしれないけど、これをきっかけに潰れて大勢が路頭に迷うかもしれない。「健康でいてほしい」「症状より責任の方が重いんですよ」清水の台詞も佑理も言葉もわかりすぎて苦しい。
そしてその流れで優弥の「いなくなった」の真実が明かされる。あんな風に、人づてに聞いたんですけど、って(ましてや「レアケースですよ」って大丈夫の根拠にされる形で)語られるのめちゃくちゃしんどい!!! でもこれがリアルだなと思ってすごいつらい……え、ほんとに優弥亡くなってるんかな?? やなんですけど???
場面変わって数日後?(数ヶ月後?)の、村上宅。悠太に水素水素酸素水を紹介する倫也。倫也の買ってた水素水素水素水を買い取ろうとする悠太。でも悠太の思うように罪滅ぼしさせてもらえない。そればっかりか「悠ちゃんが売ってるから安心して買ってるんだ」「お世話になったお返し」とまで。変なもんばっかり、と思いながらお礼の気持ちで買ってたの倫也……? 倫也が語れば語るほど悠太がずっと自分本位に生きてきたことが浮き彫りになり、突き付けられていく。ひたすらに自分の得を考えてきた悠太と、自分の損が「誰かの(悠太の)得」になれることをある意味でよしとしてきた倫也。倫也は倫也で、自分のことを「親の財産がなくなったら自分にはなんにもなくなる」という認識でいてちょっと寂しい気もする。でもきっと、もし倫也に「財産以外に僕に何がある?」と問われたら悠太は答えられないんだろうなという気がする。清水はなんか答えてくれそうだな、テキトーでも。
悠太のことを「昔のお父さんを見てるみたいで……、見てるみたいだった」と話す倫也、もしかしたら言い淀んだここに伝えたい本音があったかもしれないけど、でもやっぱり伝えない人なんだなと思った。伝えない選択は心配されたいわけじゃないという悠太の心をくみ取ったものなのか、心配以外の本音があるのか。これも鬱憤のひとつ?
大学を辞めようとする倫也に悠太が提示できる案が「学費払うよ」「これからは割り勘にするから」とお金のことばかりだったの、それは有効で正しい解決策なんだけどなんか少し悲しい気持ちになるのなんだろうな……。さっき「お世話になったお返し」だなんて言ってた倫也だけど、清水に電話していた内容からするとよっぽど倫也の方が悠太のこと“お世話”してた。それでも倫也は悠太のこと「ヒーロー」って呼ぶ。今の悠太からしたらいたたまれない。
この話の冒頭でふと、あれ3人が働いてるの村上書店? 倫也の名字、村上じゃなかった? 親が会社経営ってまさか……と大発見した気分になっていたら、最後に答え合わせが。倫也のお父さんの経営する、そろそろつぶれる村上書店。清水の「みんな路頭に迷って」の台詞がじわじわと現実味を帯びて、“みんな”の指す範囲の広さが効いてくる仕掛けこわい。
作品とは関係ないけど、ドキュメンタリーパートでちらっと映る6人のスケジュール表みたいなやつ見ると6人ともしっかり個人仕事しながらグループのレギュラー番組やって、ライブや歌番組にも出て、アイドルってすごいなと改めて思ったし、その道を選び続けてる6人に対して本当にありがとうという気持ちになった。アイドル、追う方ですらてんてこまいになるようなスケジューリングなこと結構あるので、ほんと、せめて睡眠時間がしっかりとれるスケジュールにしてあげてくれ……。

#6 3/4放送分(最終話)
「会う頻度が少なくなるだけで、会えなくなるわけじゃないから」
どこかの家の電気が消えて、知らない誰かが生活をしていることを知る。「俺たち以外にもいるんだね、人類」。あの頃と変わらないように見える景色で、世界は続いているのに、優弥はもういない。「180度変わってほしいね」なんて話したけど、きっとこんな変化は望んでなかった。
劇中歌3曲目『ひまになっちゃった』(歌詞書き起こし間違ってたらすみません)

ひまになっちゃった ひまになっちゃった
前からずっとひまだったけど
外は透明な雨 出れないや
ひまを楽しむひまがほしかった
パジャマからパジャマに着替えて アリの巣に水流し込んで
逃げ出してくノアの方舟 過ぎてく日々を数えて どうでもいい
僕を見てよ
全部ひまつぶしなんだからさ 全部ひまつぶしなんだからさ
全部ひまつぶしなんだからさ 全部ひまつぶしなんだからさ

曲中、ライトに照らされて浮かび上がる、登場人物たちが生きている姿。楽しそうに仕事中の工藤さん、直接やり返せない相手への発散をする2人、もういない恋人とのハグ。「全部ひまつぶしなんだからさ」……生きることぜんぶひまつぶし? そうかもしれない、でもそうじゃないと思いたい。
「僕を見てよ」という心の叫び、この登場人物たちの気持ちにも思える叫び。ひとりで死ぬのやだよ僕を見てよ、かもしれないし、糸電話なんかじゃなくて直接会いたいよ僕を見てよ、かもしれないし、すごいだろもっともっと僕を見てよ褒めてよ、かもれないし、親の財力じゃなくて“僕”を見てよ、かもしれないし、ほらこうして働いてる頑張ってる僕を見てよ、かもしれない。清水はなんか、ただ素直にちょっと今話してるからこっち向いてよくらいの軽さの「僕を見てよ」な気がする。知らんけど。(私は清水のことは一生理解できないと思う!)  ともかく歌詞全体の中でこの一言には他にはない強さみたいなものがある気がしていて、込められた意味の正解を知りたいような知りたくないような不思議な気持ち。
第三話で「誰かが一得すれば誰かが一損する」のあとに「この世は平等」って歌詞ぶつけてくるの、最高の皮肉だな〜と思ってたけど、ここの倫也と悠太が入れ替わった状態でいじめてきた奴の似顔絵石に書いて叩き割るシーンを観て、誰がいつ得側に回るのか損側に回るのかはわからないし、時々入れ替わったりもしながらぐるぐる回って世界は動いている、だから確かに「この世は平等」なのかもしれないと思った。自分たちを脅かす敵、いじめっ子、ウイルス。財を得た者、失った者。意図せず傷つけた人、傷つけられた人。倫也と悠太は例え立場が入れ替わったとしても“親友”のままでいられるよという希望的な見方もしてみたり。この2人の「割り勘」のやりとりも、割り勘という言葉が最初悠太から出てきた時は、“そこで「奢る」って言わない悠太の捨てきれない自分本位さ”を感じていたけど、今回は“この2人はやっと損得抜きで付き合える友達になれたのかもしれない”というようなプラスの印象になってた。「悠ちゃん」と慈しむように呼ぶ倫也と、きっと甘えたな悠太がずっと仲良しでいられるといい。(なーーんて一時は思ってたけど、とある解釈を読んで今は「村上こわい」という気持ちも芽生えております。流し見てた感想ツイートのひとつだから詳細覚えてないんだけど「これで村上は悠太の罪悪感を傘にある意味意のままに操れるってことだよね」みたいな解釈をしてたもの。それ見てから、全部知ってて商品買ってて「知ってるよ」「大事に飲んでんだわ」なんてあのタイミングで悠太に言っちゃう倫也、確かになかなかに怖い。無自覚でも怖いけど、もし自覚してたら悠太なんか目じゃない狡猾さ。思い返すと清水と3人でいたときのあのすっとぼけた「事業?」すらこわい。知らないフリがうますぎる。正門良規の底知れなさや掴みどころのなさに通ずるものがある。村上倫也こわい。)
場面変わって村上書店。エプロンをとった3人。「熱症状が出ない人もいるみたいですよ」「そんな病気どうしろって」ほんとだよな!
花岸先生が持ち込んだ(握手していた)ということは、サイン会は予定通りか延期してなのか、ともかく行われたのだろう。書店存続の起死回生の一手だったはずのサイン会が、陽性者が大量に出て倒産の決め手のひとつになってしまった? これ、もちろん清水の責任ではないし清水自身もそうとは捉えてないだろうし、結果論でしかないけど、花岸先生がサイン会をすることになったきっかけは清水で、それを成功させるために自分という少数よりも大多数の助かる道を選ぼうとしていたのに、トロッコ問題でいう「自分じゃない方」を選びたかったのに、何たる因果なのかね……。
「運がよかった」、健康なことも会社が潰れることも運だと思わないといけない、自分の努力や選択を運に簡単に捻じ曲げられてしまう。まぁ人生なんてずっと昔からそうだっただろうけど、改めて考えると何かこうアーーー!ってなるね、頑張る意味って何だ?ってなっちゃうよね、働くの辞めたくなるよな工藤さん、わかるよ。でも働くか、ってなるよな、わかる。今まで働いてた書店見渡しながら「働こ、書店で」ってなる工藤さんきっとこの仕事好きなんだろうな。ひまつぶしなんだから好きなことしてたいよな。
そして佑理に以前の発言を謝る清水。「何が正しいのか考えすぎて疲れた」、でも「元気でいてほしいよ」、佑理の優しさは優弥とすごく似てる気がする。優弥が亡くなる直前の電話、4回かかってきた電話、「出るのが正しかったのかな」とこぼす佑理。仮にそうだったとしてももう実行できない後悔色した問いかけの重さ、に対して、「それ聴いた方がいいやつっすね、一緒に聴きましょうか?」この軽さ……! いいよ清水、私は清水に救われてるよ。
糸電話に残された留守電(酸素マスクの形状が糸電話と重なってるの気付いて脱帽した)、恋人の最期の言葉。「僕が食べきれなかったカレーパン、食べていいよ」一緒に暮らしててよかった象徴のカレーパン。「ご飯食べて元気でいてほしい」自分がいなくても生きててほしい。「星の立場から言わしてもらうとさ、今僕が発してる言葉が未来の佑理に届いてると思うと、安心する」「あ、さっきカレーパン食べていいよって言ったけど、ちょっと残しといてね、帰ったら食べるから」最期のつもりのメッセージだけど、でも本当は帰りたい、佑理にまた会いたい、一緒にご飯食べて、一緒に生きていきたかった。これがこの時の優弥が伝えられる精一杯の「大好き」だったのかな。愛ってたぶんこういうことなんだろうな。佑理の「何が言いたいのかわかるけど、何言ってんのか全然わかんないよね」の泣き笑顔に、わかった元気でやるよ、みたいな気持ちが見えた気がした。一話で糸電話の糸に巻き付けられた佑理は2年間聞けなかった留守電にずっと縛られていたってことかもしれないけど、同時に優弥の愛に包まれてもいたんだと思った。糸電話は佑理を想う優弥の愛と優しさだった。そしてまた同じ歌が流れて、糸は方々にほどけてる。「時が流れていく」「波が引いてく」、一話ではなかった歌詞。変化を飲み込んで、人は生きて行く。
「泣けばいいのか 怒ればいいのか」、登場人物たち全員の思いなのだろう。ひいてはこのコロナ禍を生きる私たちの、鬱憤。
最後の最後、笑い合う2人は佐野とリチャードなのか、“また会えた”優弥と佑理なのか。「会う頻度が少なくなるだけで、会えなくなるわけじゃないから」は倫也の台詞だったけど、佑理と優弥もいつかまた会えてたらいいな。
ドキュメンタリーパートであの留守電には「自分の見ることができない佑理の人生何十年分を支える言葉」という思いが込められていたと知って、更に泣いたし、なんともやるせない気持ちにもなった。というのも現実のコロナ禍では看取ることも叶わなかった別れもあったと聞いたことがあって、時間差でも伝えたいことを残せた・受け取れた優弥と佑理のことを、こんなに切ないのに、悲しいのに、“幸せ”だったのかもと思ってしまったので。小さなことに喜びを見つけられるのは幸せかもしれないけど、自分の幸せを小さく見積もるのは幸せじゃない気がするので! でもとりあえず、全部生きてこそで、生きてればたぶん、泣くや怒るだけじゃなくて、喜びも楽しいもあるはず。こんな素敵な作品に出会えたりとかね。

……とまぁこんな感じで、とりあえず第一章(?)の話ごと感想パート終わりです! 読んでくださった方いたらほんとにありがとう!
でもまだ続くんですねこれが。ちょっと飲み物でも飲んで目薬でもさして、それではどうぞ!


②劇中歌について上に書ききれなかった感想(重複してる内容もあるかも?)

『糸電話』について
一話段階では、佑理の気持ちを歌ってるらしいこの曲の歌詞を見ながら、佑理は結構受け身な人間で、優弥と向き合うことに怯えてるのかと思ってた。相手に気持ちはちゃんとあって、まだ関係を続けたい気持ちはあるけど「またかけてきて」と委ねちゃうくらいの逃げ。「次は」と繰り返すのは先延ばしにしているようにも思えた。
けれど四話でいなくなった優弥の真実が明かされ、それを踏まえて聴くと、「またかけてきて」「次は出るから」「口にするよ次は」と繰り返し出てくるこの未来への言葉は、もう叶わぬことを知りながらすがってる気持ちだったのかと。もう次がないことはきっと誰よりもわかっているのに、わかりたくない、信じたくない。
そして最終話。全員で歌う『糸電話』には、「時が流れていく」「波が引いてく」という新たな歌詞があった。佑理の時間が、優弥からの留守電を聴けずに止まっていた時間が流れ出したのだと思った。「波が引いてく」はコロナ禍(劇中だとヒノワ禍)での制限が徐々に少なくなっていくイメージかな? 
恋人が亡くなって、職を失って、親友を騙して(親友に騙されて)、……こうして並べるとまぁ結構しんどい状況で悪い変化でしかなく思えるけど、ラストシーンの6人の顔は晴れやかに見えたし、人間なんだかんだ、生きて行くしかないんだよな、という感覚になる終わりだった。そういう作品だった。上記①で「泣けばいいのか 怒ればいいのか」は登場人物たち全員の思いで、ひいてはこのコロナ禍を生きる私たちの鬱憤、って書いたけど、そうなのだとしたら、心に溜めた鬱憤は言葉にすれば、その先は糸電話の糸のように限りある細い道筋かもしれないけど確かに伝わって誰かには届くかもしれない、って希望が見えた気もした。
改めていい曲~~~~! もう糸電話って題材が最高に天才だもんな~コナンの見た目は子供頭脳は大人の設定思いついたのと同じくらい天才だと思う(???)。とりあえずもっかい聴こう糸電話。

youtu.be


『立つ野は一人』について
この曲に対する感想はほぼ上記①で書ききった感があるのですが、なにはともあれこちらもめーーーっちゃ好きです。悠太を演じた大晴くんは可愛さもある人だけど、どこかで妖しさをまとってるような雰囲気のある人だと思ってるのでほんとこの曲がぴったり。
しばらくの間歌詞の中の「この世は平等 恥ずかしげもなく」の恥ずかしげもなくだけいまいちどういう意図なんだろうとしっくり入ってこない感じがあって、改めて調べたら「厚かましく、しゃあしゃあと」の意味があると。この曲は峠の心情だから、この世は本当はそうじゃないのに厚かましくも“平等”って言われてんだからその中でズルしたって勝った方がよくね? みたいなことなのかな~と思ったり。悠太は村上と比較するとおそらく元々は“持ってない”人間であって(少なくとも本人の自覚としてはそう認識してそう)、身近にいた金持ちで性格も優しい倫也という存在に対して嫉妬や生まれによる境遇の違い、そこから派生した世の中の不平等感みたいな感覚があったりしたのかもな? それか、もしくは、せっかく儲けていい感じに幸福な人間になれたと思ったのにそれが親友を騙して得たものだと知って苦しみが降りかかってきたことに対する「結局プラマイゼロかよ」みたいな気持ちの「平等」? いろんな解釈できて面白いですね! いいよねほんとこの曲。サブスクくれ~~
あと末澤さんの歌の素晴らしさは上記でちらっと語ったけど、佐野晶哉もほんとあれよね、定期的に「君はアイドルでいいの!? その美声を生かす場はここでいいんですか!?!?(褒めてる)」みたいな感情になるよね。グループ内に末澤誠也という圧倒的な強さタイプのボーカリストがいるから、比較して佐野は『ひまになっちゃった』で見せたような美しく透明感があってどちらかというとふわっとした空気感のある歌声が持ち味の人、という印象を持たされていたけども、『立つ野は一人』で私は思い出した、彼がヤングシンバだということを――。ゴリゴリのミュージカル発声お手の物、というかむしろ元々その道のプロだということを思い出したよ……そして曲によって声質を変えてしまえるという武器を所持している末恐ろしさに気付いてしまった。そんでもって歌がうまいだけじゃなくて作曲もできるわ楽器もできるわ、何故かアクロバットまでできて船舶免許まで持ってて背も高くて笑顔が可愛い…………ハイスぺとは佐野のためにある言葉。お前はアイドルやってていいのか、いや一生Aぇ! groupでいてくれ(反語?)。

『ひまになっちゃった』について(以下、一部以前にTwitterで投稿したものと重複しております)
天才の所業。歌詞すごくない? あの頃の閉塞感とか見えない敵という感覚を「透明な雨」と表現するの天才すぎん? そのあと「アリの巣に水流し込んで」で“なんの生産性もないことをやるくらいのひま”みたいなの印象をもらったと思いきや、「ノアの方舟」でもしかしたら私たちがその“アリ”側で、神様になんの意味もなく気分で水流しこまれて方舟でたまたま生き残ってる世界なのかもって視点が変わっていく。雨→水→方舟の展開すごすぎるし、水も時も砂も「流れる」だからさ~~なんかこう同じ作品の中に存在するべく与えられた共通の雰囲気を感じ取れる気がするというかさ~、勝手にそう思ってるだけかもしれんけども(オタクは各所に勝手に共通項を見出すもの……)
そのあと「どうでもいい」でスマホぱたんと置いたみたいに画面が暗くなるイメージで、虚無や諦めな気持ち、からの「僕を見てよ」の強さ。抗い、かなぁ。あの頃ひまになっちゃった人たちは、生きるうえで大切にしてきたことを「ひまつぶし」扱いされた気持ちだったのかな~と思うと、「全部ひまつぶしなんだからさ」にはぐるぐるいろんな感情が見えてくるなと。諦めにも見えるし、雑草魂的な意志にも見えるし、毛糸の玉にみたいにいろんな思いがぐるぐるしてひとつの心の中にある感じ。(ただまぁ私個人としてはあの所謂自粛期間も変わりなく働いていて全く暇にならなかった人間なので、ひとまず当座の生活の心配はなかったけど、ちょっとひまになりたかったという思いもあったりする。だから私にはひまになったやるせなさを想像はできても本当にはわからないし、医療従事者やエッセンシャルワーカーの方々の苦労もわからない。変わらず働く日々の中で糧としていた娯楽だけを奪われ続けたしんどさもきっとそうでなかった人にはわからないだろうし、所詮、人それぞれに感情を100%理解しあえることはないのかもしれない。そんなことはコロナ禍になる前から同じだったけど、こうやってあの頃を思い出すだけでも職業や立場によって感じていたことは大きく違って、そこから根付いた価値観で人々が分断された感覚はすごくある。これまでは知らんぷりできた小さな差がコロナをきっかけに肥大して可視化されて埋まらないほどの大きな溝になってしまったような。そうして離れてしまった人が多くいるのは、どうにも切ないものだなぁと改めて思います。)

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ここまで読んだ人はよっぽどひまになっちゃってたのか、忙しい隙間に頑張って読んでくださったのか、どちらにせよありがとうございます。でも私のブログより藤井さんのnoteでも読みな?(とかこういうことを書いているから長くなるんですよねこれで100字くらいでしょ1ツイート分だよ)(でも10000字って聞くと長く思うけど72ツイート分って思ったらそんなに長くな…いこともないねまぁまぁな数だね)
それではついに最終章です。


③全体感想(まとまらないまとめ)
まず主人公である佑理について、そして優弥について。そもそも、どうしたってAぇ! group目当てでこの番組を観ているので、役と本人やメンバー間の関係性を重ねて観てしまう部分も多くあるんだけど、今回、佑理(リチャ)と優弥(佐野)に恋人同士感をちゃんと感じられたのがこの作品を観るうえですごく大きかった気がする。画面越しにも、好き同士の、愛のあるカップルなんだなってのが伝わってきた。だからこそ、その存在を、関係性を、生活を、静かに奪われた切なさが最後にドッと押し寄せてあんなにも泣けたんだと思う。2人のお芝居ほんとうによかった。2人とも普段より声が明るくて可愛くて、特に優弥の明るさと優しさと可愛さと強さ、それがミックスされたような、晶哉の発する声が絶妙だった。そして佑理の、留守電を聞いたあとの泣きそうな顔見たとき、ふわっと「愛しい」みたいな感情が芽生えて、優弥もそう思ってたんだろうなぁ、あの優弥がすきになった人なんだなぁと思った。うまくいえないけど、“佑理と優弥”がそこにいたし、2人の(もちろん6人の)幸せを心から願ってる。
グレショー版オリジナルだったらしいあのジャケットを抱きしめるシーンも言わずもがな名シーンだった。(練習風景、無言でハグする2人がなんか可愛かった)

(あとこの晶哉の「あごコツン、て置いてきたとき恋人やって思いました」のなんともいえない可愛さ)

優弥は出演時間としては少ないはずなのに、いちばんずっと舞台上にいたような気がしたのがまるで昼間は見えないけどほんとはいつも空にある星みたいだな、ってちょっとロマンチックなことを思ったりもしました。

次に清水。作中で一番状況的・心境的な変化が少なかったのは彼だと思うんだけど、いい意味でこの清水の軽さ、ブレなさ、世間の常識より自分の価値観に重きを置いて生きてる人だったのが、この正しさがわからない世界の中での救いに思えた。だけど、清水というキャラクターの筋がありつつも、工藤の言ってた「客観的に俯瞰して考えて」という台詞を佑理と話してる時に清水が言ってて、パッと見の感じはあまり変化がないように見えて清水も村上書店で働いた時間に影響を受けてる部分があって、180度とはいかないまでも5度くらいは変わってたのかな? あとこれは個人的な感覚かもしれないけど、ほんとにこじけんにそっくりだな~と。私の思うこじけん、ほぼ清水。「ひまになっちゃった」を「肥満になっちゃった」に替え歌してた、のエピソード読んだ時めっちゃ小島!と思ったし、リアル清水!とも思った。
村上書店の人たち、勝手に、工藤さん:新卒から村上書店一筋、佑理:転職組で工藤とは同い年、みたいな関係性かな~とかいろいろ想像して楽しかったのでこれからは離れて働くと思ったらちょっとさみしい気持ち。いつかしれっと清水が起業して遊べる本屋的なの作って中途採用でにうっかり工藤さん来たりしないかな~。戯言です。

工藤といえばトロッコ問題だけど、「少数のために大多数を犠牲にするな」と言った工藤と、その“少数の犠牲”が自分にとってかけがえのない大きな存在だった佑理、という対比としても描かれてたのかな。「働かないことで社会が止まるのが嫌」と疑問なく自分を社会の一員と認識している工藤と、親の財産だけが自分の価値みたいに思ってる倫也も対極っちゃ対極? 登場人物たち、対とか隣り合うとかでバラバラだけど意味を持って繋がってるんだろうな。星座みたく。原作ではもっと登場人物が多いらしいのでもっとほんとに星座みたいにいろいろ繋がるのかも。

村上倫也と峠悠太は話ごと感想のところでたくさん書いたので割愛。得た者と失った者とこの世は平等。ゼロサム理論? 『鬱憤』は経済学だったのか……(??)。全然何にも関係ないけどサイコパスまさかどと泣き顔のたいせーみたいな作品が観たい。

私はいつもグレショーの舞台は通しで観たいと思ってきたけど、この『鬱憤』に関しては話が分かれてて週を追うごとに全体像が見えてくるのが連ドラ好きとしてとてもハマったので、TV番組での企画で作られたことに感謝でした。というかこの『鬱憤』めちゃくちゃ連ドラ向きだと思うのでいつかどっかでやってほしいくらいです。2年前とか4年後とかの設定明かさずに、同じ景色の中で少しずつ同じ時系列にしては話かみ合わないな?ってなって全体像が見えてくる感じ、単体でも美しく意味のある言葉が繋がっていくと次第にひとつの絵になっていくみたいなの、モザイクアート構造とでも言おうか、もう絶対めちゃくちゃ連ドラ向き。というかただ単に私が観たい、藤井さんの連ドラが観たい。Aぇ! group主演でいつかどうか!笑

最後に。改めてこの『鬱憤』という作品、本当にすごく好きでした。私は藤井さんより年上ですが、藤井さんに対して師のようなまなざしを向けたくなる気持ち。面白い作品に出会うと、その作品として見えている氷上の一角の隠れている8割を潜って見ていきたくなる気持ちになる。『鬱憤』はそんな作品だった。潜っていろんな角度から見ていくと、いろんな発見があって、周りにはたくさんの人のたくさんの解釈があって、それを探していくのも楽しかった。思いは目に見えないけど、感じ取ったり、見つけることが出来る。人間の思いの行先とその道筋が糸電話なら、その糸はどこまでも伸びて、どれだけ離れていても、例えばあの星にだって、届くのかもしれない、繋がっているのかもしれない。人と人とが思いを抱えながら、それをぶつけあったり交換したりして、関わったり別れたりしながら生きて行くということを思った作品でした。幻灯劇場さん、Aぇ! group、グレショー、素敵な作品をありがとうございました!!!


そしてここまで読んでくださった方(いたら)ほんとうにありがとうございました。
これにて長々感想【完】!!!